ホーム > 活動報告 > 平成27年12月定例会

平成27年12月定例会

2016年4月14日(木)

質問

(中村綾菜) 市民クラブの中村綾菜です。
 まず,福井市人口ビジョン・総合戦略(案)についてお伺いいたします。
 我が国における急速な少子・高齢化の進展と人口減少に対応するため,国では,まち・ひと・しごと創生法を制定し,各地方公共団体においては,平成27年度内に地方人口ビジョン及び地方版まち・ひと・しごと創生総合戦略の策定が努力義務とされました。
 そこで,本市においても,先日,福井市人口ビジョン・総合戦略(素案)が出されま した。その戦略は,大きく4つの基本目標に分かれています。特に今回は,その目標値の設定について御質問いたします。この総合戦略に掲げる目標値が明確で なかったり,設定に弱い部分があると感じるからです。明確な目標値を掲げることで,やるべきことや目指すべき方向を示すことができ,検証がしっかりできる ようになります。明確な目標値を示し,本市の総合戦略を一部改正していただきたいとの思いで,以下,質問いたします。
 まず,1つ目の基本目標,福井の産業の強みを活かし,働く場を創出する。
 ここでは,5年間で1,000人の新たな就業の場を創出するという目標が掲げられていました。1,000人と具体的な目標値を掲げたことはとてもすばらしいと思いますが,その1,000人の内訳を具体的に示していただくとさらにいいと思います。
 そこで,以下のように分けて目標値をお伺いいたします。
 まず,企業誘致で何人か。大企業,中小企業,個人事業主,県外企業,県内企業に分けてお伺いいたします。次に,創業者支援,事業継承,女性の起業で何人かお伺いします。最後に,農林水産業で何人か,お伺いいたします。
 2つ目の基本目標です。福井の魅力を活かし,新しいひとの流れをつくる。
 ここでは,転出,転入者数の均衡という目標を掲げられていました。しかし,均衡とは,具体的に5年後に転出者,転入者をそれぞれ何人にするという意味でしょうか。現在の数値を明らかにした上で,目標値をお伺いいたします。
 UIターンについては,幾つか施策が掲げられていましたが,具体的な目標値が書かれていませんでした。5年後には,それぞれ何人を転入させたいとお考えでしょうか。まず,現在の数値を明らかにした上で目標値をお伺いいたします。
 3つ目の基本目標,福井の優れた環境で,結婚,出産,子育ての希望をかなえる。
 本市は,国や県が目指すよりも5年前倒しで2030年までには出生率を 1.8,2035年までには2.07を目指すという方針を出しました。目標値を高く掲げたことは,前向きでとてもすばらしいと思います。しかし,大きな目 標を掲げたのであれば,さらなる覚悟が必要になります。
 まず,予算を増額する覚悟が必要です。
 少子化を脱した国と我が国の取り組みの最大の違いは,子育て支援全体の予算額の差 にあります。ヨーロッパ諸国では,家族関係社会支出を大幅に増額した結果,出生率が2%を超す国が出てきました。家族関係社会支出とは,子育て支援として 行われる現金給付と現物給付を合わせた支出のことです。この額が多いほど,子育て支援に予算を投じていることになります。例えば,フランスでは,1990 年代に家族関係社会支出が対GDP比2.5%で,出生率が1.6だったのが,2000年代には対GDP比を3%にし,出生率は2まで回復しております。
 本市に関しても,子育て関係予算のさらなる増額を求めますが,対予算比の目標値と見解をお伺いいたします。
 次に,子育て世代への支援についてお伺いします。
 女性の中には,仕事に専念したいので子供を産みたくない方もいますし,子供を産み たくても産めない方もいらっしゃいますので,出生率を2.07にするという目標を掲げても,プレッシャーになる女性もおります。そこで,子供を産みたい方 には産んでいただくという政策に力を入れるべきであり,例えば,多子世帯への支援をふやすことが大事であります。なぜなら,子育てにはお金がかかります。 子供1人を大学卒業まで育てるに当たって3,000万円かかるという試算もされております。そういったことを考えると,子供を産むのを控えてしまうという ことが大いにあります。
 少子化・子育てに関する市民意識調査の中で,結婚経験がある方に理想の子供の数を 尋ねたところ,50.9%が3人と答えました。しかし,その48.3%が実際の子供の数は2人だそうです。さらに,その方々に対する必要な行政支援はとい う問いの答えは,51.8%が経済的支援だそうです。
 そこで,多子世帯への支援をさらに進めていただきたいのですが,そのためには,まず,多子世帯割合の目標値も掲げてはどうかと思います。県のふくい創生・人口減少対策戦略にはきちんと掲げられておりました。本市における目標値と多子世帯支援への見解をお伺いいたします。
 次に,男女共同参画推進についてお伺いいたします。
 総合戦略の中の女性・若者の活躍をしっかり応援するというところに,ワーク・ライ フ・バランス推進企業をふやすという目標が掲げられておりました。しかし,本市においてワーク・ライフ・バランス推進企業はある程度ふえてきたと思います ので,もう少し先進的な目標や施策を掲げるべきです。例えば,女性の管理職割合の目標値,男性の育児休業取得割合の目標値を掲げてはどうでしょうか。
 本県は,2010年の国勢調査で共働き率が全国2位であるのにもかかわらず,女性 の管理職割合は40位です。また,これは2012年の内閣府調査ですが,女性の社長の割合は36位です。この結果を見る限り,女性の社会的地位が低いこと がわかります。なぜ女性の社会的地位や管理職割合を上げなければいけないかですが,一般的に社会的地位が上がると,仕事も忙しくなり,家事や育児に手が回 らなくなることが考えられます。そこで出てきた課題に関して,施策は何が必要か,行政支援は何が必要かが見えてきます。また,男性の家事や育児に対する理 解がとても必要になってきます。そういった環境を故意につくることが,今,行政に求められております。
 また,本県の育児休業取得割合が,女性88.4%に対し,男性は1.6%です。広 島県は,県が率先して男性の育児休業取得を推進したところ,2007年に0.6%だったのが,2012年には7.2%に上がりました。また,日本生命保険 相互会社という大手保険会社は,会社を挙げて男性の育児休業取得を推進したところ,100%を達成したとのことでした。本市も目標値を掲げ,リーダーシッ プをとって推進することが求められております。男性の皆さん,仕事を頑張り過ぎです。じっくりと家庭と子供と向き合うことで,新しい世界も見えてきます。 休暇をとったところで出世がおくれるということが出てきたら,そんな社会を変えていきましょう。
 男性は外で仕事,女性がうちで家庭を守るという考え方を男女共同参画は否定してい るのではないかと,先ほど近藤議員はおっしゃっておりましたが,そうではないと思います。私も,否定はしておりません。男性が一度もうちに,家庭にこもる ということを経験していないので,一度経験してみてはどうでしょうかということを私は提案しているだけです。今の社会は,男性が家庭にこもりたくてもこも れないという社会であるから,その社会を変えるように行政が働きかけていくべきだと思います。
 本題に戻りますが,女性の管理職割合の目標値と男性の育児休業取得割合の目標値を掲げてはどうでしょうか。見解をお伺いいたします。
 この2つは,全国的に見て,福井は特におくれていますし,世界から見て,日本が特におくれています。もし本市がこれを解決できたなら,日本を救う一翼を担うことにもつながることは間違いありません。
 続いて,4つ目の基本目標です。県都として中心的役割を担うとともに,時代に合った住みやすいまちを創造する。
 ここでは,福井市に住み続けたいと思う市民の割合を90%にするという目標値が掲げられていました。目標設定が漠然としているように思います。もっと具体化してはどうでしょうか。
 福井県は,出生率がトップクラスで,日本中から注目される子育て支援や教育環境が 整った県であり,福井市はその県都であるということにもっと誇りを持つべきです。本市が,日本の少子化対策,人口減少対策のモデル地域として日本を引っ 張っていく,日本を救っていくんだという覚悟が必要です。その辺を目標に掲げてはどうでしょうか。見解をお伺いいたします。
 最後に,総合戦略の今後の運営や検証の仕方についてお伺いいたします。
 本市は,今回の総合戦略を総合政策室が中心となって,各担当課がそれぞれつくって きました。しかし,今後は,人口減少対策室を設け,責任者をつくり,しっかりとPDCAサイクルに基づいて追いかけていくべきであります。それぞれの担当 課に任せていては,日々の仕事に追われ,後回しになってしまう危険性があります。また,アンケート結果やデータ分析から出てきたさまざまな課題を解決して いくためには,例えば市長をトップとするシンクタンクを設け,いち早い対応をしていく必要があります。
 先日,戸田市の戸田市政策研究所を常任委員会で視察に行ってまいりました。その研 究所は,市長をトップとする関係機関で構成され,さまざまな分析を行い,上がってきた課題を解決するために事業化するという作業を行っていました。また, 職員を1人配置することで,運営がスムーズに行われ,さらにメンバーに広報担当を入れることで市民に周知することができていると言っていました。
 本市においても,総合戦略に関して,今後の運営や検証の仕方をどのようにするのか,見解をお伺いいたします。
 続きまして,高齢者福祉についてお伺いいたします。
 先ほどは子育て関係について質問しましたが,続きまして,高齢者関係について質問いたします。
 近年は,少子・高齢化という時代でありますが,今後,少子,高齢,多死化の時代を迎えます。まさしく人口減少時代がやってくるというわけですが,そうならないように元気な高齢者をふやしていくという考え方も必要であると考えます。
 そこで,介護保険や高齢者福祉サービス,地域包括ケアシステムについて何点かお伺いします。
 まず,介護全般について。
 介護については,仕組みやサービス内容,支援制度などがわかりにくいという声を多数いただいております。わかりやすい介護サービスを提供していただくに当たって,以下,3つ質問いたします。
 1つ目,介護全般に関してのわかりやすいパンフレットを作成してはどうでしょうか。現在は,介護保険に関するパンフレットとそれ以外のパンフレットに分かれておりますが,一緒にしてはどうかという意味です。
 2つ目,介護全般に関するセミナーを開催してはどうでしょうか。現在は出前講座や在宅支援に関するセミナーを開催しているということですが,介護全般ではないですし,数が少ないのでふやしてはどうかという意味です。
 3つ目,介護全般に関するホームページを開設してはどうでしょうか。子育て関係のホームページであるはぐくむ.netみたいなものをイメージしております。
 次に,介護保険施設について。
 介護保険施設は,現在なかなかあきがありません。しかも,利用者は施設一つ一つに 問い合わせて,あきがあるか確認しないといけないので,とても不便です。そこで,利用者に空き状況が一目でわかるように,介護保険施設の空き状況が一覧で わかるような仕組みをつくれないでしょうか。例えば,市に問い合わせをしたら教えてくれたり,インターネットで検索したらわかったりすると,利用者は便利 だと思います。
 さらに,デイサービスについて。正規雇用で仕事をしている方が親などの介護をしな ければいけなくなると,短時間労働に変わらないといけなくなる場合があります。それは,デイサービスが16時までしか利用者を受け入れていないところが多 いからです。デイサービスについては,開所時間を17時や18時まで延長してもらえるように提案してもらえないでしょうか。
 また,本市の介護保険のパンフレットに,介護保険施設の一覧表が載っていますが,そこにサービスの提供時間を載せることはできないでしょうか。お伺いいたします。
 次に,地域包括ケアシステムについてお伺いいたします。
 介護保険制度の改正に当たって,高齢者が住みなれた地域で生活を継続できるように,介護,医療,生活支援,介護予防を充実させるために,地域包括ケアシステムの構築が掲げられました。その役割を担うのが地域包括支援センターです。
 本市の地域包括支援センターでは,高齢者のためにさまざまな支援を行ったり,相談 業務を行ったりしています。しかし,高齢者福祉の課題は多様化し,対策に追われていると聞いております。高齢者福祉の課題として上げられているのは,認知 症高齢者への対応,ひとり暮らし,夫婦のみ世帯への対応,介護人材不足への対応,生活習慣病予防,介護予防,虚弱期のケアシステムの確立,元気な高齢者の 社会参加などです。
 まず,地域包括支援センターでは,それらの課題を地域でどのように解決しているのかお伺いいたします。
 ここで,地域包括ケアシステムがうまく構築されている事例を1つ御紹介します。地 域包括支援センターがリーダーとなり,地域の課題は地域で解決しているという先進的な事例です。大分県は竹田市,人口2万4,392人,高齢化率 40.5%と,かなり高齢化が進んでいるまちです。ここでは,平成24年度に竹田市介護予防強化推進事業を始めました。まず,竹田市地域包括支援センター が実施主体となり,サービス検討会議を開きました。そして,支援サービス実施のために暮らしのサポートセンター・久住「りんどう」を開設し,通所型予防 サービス,訪問型予防サービス,生活支援サービスを開始しました。ここで大事なことは,暮らしのサポーターもサービスを受ける方も同じ会員で,皆が支援者 であり,利用者であるということです。この取り組みの効果としては,地域のコミュニティーの拠点がつくれたこと,高齢者が支援者として役割を持ち,生きが いにつながったということだそうです。ちなみに,厚生労働省のモデル事業で,財源は全額国負担の753万7,000円でした。
 次に,地域ケア会議について。高齢者の課題を把握したり解決するための仕組みとし て,地域ケア会議を開催することがあります。まず,この地域ケア会議は,どのようなメンバーで行っているのでしょうか。どんなことが話し合われているので しょうか。出てきた課題に対して,対策はどのようになされているのでしょうか。お伺いいたします。
 最後に,生活支援コーディネーターについて。地域ケア会議などで出てきた課題を解 決する一つの方法として,生活支援コーディネーターの設置が考えられます。本市では,現在,1人おりまして,地域にも配置するかどうか検討中と聞きまし た。もし地域に配置されるとなれば,ぜひ地域の元気な高齢者を生活支援コーディネーターとして育成し,活躍していただくといいと思いますが,見解をお伺い いたします。
 さまざまなことを質問いたしましたが,要するに私が言いたいことは,地域での課題 を地域で解決する仕組みをつくることが行政の役割であるということです。地域包括ケアシステムをうまく構築できるかどうかは,福井市や地域包括支援セン ターというリーダーの腕にかかっております。しっかりとリーダーシップをとって,かじ取りをしていただき,地域を動かしていただきたいと思います。そし て,高齢者が生き生きと暮らせる社会をつくっていただきたいと思います。
 最後に,友好都市結城市との今後についてお伺いいたします。
 昨年は結城秀康生誕440年,秀康の養父晴朝生誕480年・没後400年という年 でした。そして,ことしは結城家33代松平直冨生誕130年・没後50年,結城ロータリークラブ創立50周年,結城市が運営いたします結城蔵美館開館1周 年,天下三名槍,天下のすぐれたやりの一つ,御手杵の槍公開,福井市・結城市友好都市締結の礎となった福井結城会設立15周年など大きな歴史的節目の年で した。
 そこで,ことしの5月23,24日に,福井結城会を初めとする関係者や福井市内のロータリークラブ,一般市民が,本市の地域の誇り推進事業として結城市を訪問しました。全国規模の結城氏の歴史を両市で再確認,共有し,新たな広域友好連携を結ぶことを目的とした事業です。
 さかのぼること13年前の2002年4月,本市と結城市は友好都市として盟約した わけですが,本市で行われた式典会場では,御手杵の槍の復元写真が全国で初公開されました。皆様のお手元の資料をごらんください。そちらに描かれておりま す。そのやりの復元者の関係者で仕掛け人が本市の方でありますが,そのやりが本年度は結城市や天下の名槍を生み出した島田市で公開され,かなり話題となっ ております。どのくらい話題かといいますと,結城市では2日間で約3,000人。島田市では告知が公開日の1週間前であったのにもかかわらず,2日間で約 3,500人が殺到したそうです。しかも,人気ゲームのキャラクターが御手杵の槍を使っているということで,参加者のほとんどがファンの若い女性だったそ うです。ちなみに彼女たちはツイッターで拡散された情報を見て,できれば記念品も手に入れたいと殺到したのです。
 次に,お手元の資料の裏をごらんください。このやりは,山の神,てんぐに守られ, 山の神の使い,熊と足柄山の金太郎をお供に従えて,諸魔を一掃する非戦の象徴,不滅の象徴とされており,数々の天変地異,不安定と混迷の社会情勢にある現 代において,今このやりを取り上げることは大変意義深いものと考えられます。とにかく,これを何とか郷土の歴史とまちづくりに生かす手はないかと,結城市 と島田市を初め,結城氏関係の各地,東松山市や前橋市らが真剣に取り組んでおります。
 13年前に福井市民がまいた種,歴史の種が今,芽吹いております。これを生かすかどうかはリーダー次第です。今,リーダーの知性と先見性が試されております。健全な未来に残しておくべきものであるならば,さらに歴史の掘り起こしが必要と考えます。
 福井藩主,厳密には北の庄藩主の結城秀康の故郷である結城市にある御手杵の槍をきっかけにして,友好都市結城市との関係を見直すことで,福井の歴史,結城秀康の歴史や人物の掘り起こしができます。
 そこでまず,友好都市結城市との今後の方向性についてお伺いします。
 また,要望ですが,御手杵の槍は,先ほども言いましたように,歴史的価値が非常に 高く,やりの歴史をひもとくことは,市民にとって大変有意義なことと思います。そこで,イベントなどにどんどん活用して,集客力アップにつなげてはいかが でしょうか。ぜひ御検討をお願いいたします。
 以上で読み上げを終わります。ありがとうございました。

 

 

答弁

◎副市長)友好都市結城市との今後についてお答えいたします。
 結城市とは,結城秀康公の歴史的なつながりを背景といたしまして2002年に友好都市提携をして以来,さまざまな交流を行ってまいりました。
 行政間の交流といたしましては,ふくい春まつりの来賓として毎年結城市行政訪問団 を受け入れるとともに,足羽川河川敷で行われているふくいグルメコーナーにおける結城市ブースの出展を支援しております。また,ことしも11月7日,8日 に開催されました結城市の「祭りゆうき」では,福井市がブースを出展し,観光PRや市の認定加工品の販売を行うなど,お互いの経済面での交流も活発に行っ ております。
 一方,市民間の交流といたしましては,結城秀康が開いた芝原用水の縁で啓蒙地区及び宝永地区の市民が結城市関係者を招聘したり,結城市民劇団の公演を見学する目的で啓蒙地区から市民訪問団の派遣などを行っているほか,福井結城会が結城市と独自の交流をされております。
 このほか,教育分野におきましては,平成14年度より市内小学生を相互に派遣し,両市の自然や文化,歴史について理解を深める福井市・結城市友好都市子ども親善大使交流事業を実施しており,青少年の育成に寄与しております。
 議員御提案の御手杵の槍につきましては,結城市の歴史文化施設である結城蔵美館に常設で展示されているため,貸し出していただけるかどうか相談が必要ですが,本市郷土歴史博物館の企画展に合わせ,特別展示が可能かどうか検討してまいります。
 姉妹友好都市交流は,市民同士の交流が積極的に行われることが大きな目的の一つでございます。本市といたしましても,今後も歴史的背景を生かし,結城市との積極的な市民交流を後押しして,教育,文化,経済の交流を続けてまいります。

 

◎総務部長 まず,新たな就業の場の創出の1,000人の内訳についてお答えいたします。
 総合戦略では,基本目標1で,福井の産業の強みを活かし,働く場を創出すると掲げ,5年間で1,000人の新たな就業の場を創出する数値目標を設定いたしました。
 いずれも5年間の内訳といたしまして,県内外,企業規模を問わず,企業立地により300人,女性の起業も含め創業の促進により600人,農林水産業で1,000人を目標としております。
 次に,転出者,転入者の目標値等についてお答えいたします。
 平成26年の本市への転入者は7,126人,転出者は7,338人であり,差し引き212人の転出超過となっております。
 転入者及び転出者数は,景気の変動や企業の転勤者の増減などに伴いまして,毎年数 百人単位で変動するため,転入者,転出者数そのものを目標値として設定することは困難でありますが,転入者の増加と転出者の抑制のそれぞれに対しまして, 効果的な施策を行い,転入,転出の均衡を図ってまいります。
 次に,UIターン者数の目標値等についてお答えいたします。
 現在,UIターンにつきましては,福井県と市町が一体となり相談と受け入れ支援を行うふるさと福井移住定住促進機構を中心に,本市への移住,定住を図っておりますが,平成26年の本市への移住者は,年間151人であります。
 今後,福井の住み良さ広報強化事業やふくい体験ツアー実施事業などを実施し,平成31年には移住者を年間200人まで増加させてまいります。
 次に,子育て関係予算についてですが,妊娠期からの切れ目ない子育て支援の充実は大変重要であると考えており,総合戦略の柱の一つにも位置づけていますことから,必要な予算については確保してまいります。
 次に,多子世帯割合を目標値に掲げることについてお答えいたします。
 子供を産みたいと考える方が安心して産み育てられる環境づくりは,人口減少の観点からも大変重要な施策であると認識しています。
 一方で,親が希望する子供の数がそれぞれ違う中,目標値の設定につきましては慎重にならざるを得ない面がありますが,出産を望む全ての市民が希望する子供の数をかなえられる子育て環境や職場環境を整えていく施策をしっかりと推進していくことが重要であると考えています。
 次に,女性管理職割合などの目標値を掲げることについてお答えいたします。
 来年4月1日に施行される女性の職業生活における活躍の推進に関する法律,いわゆ る女性活躍推進法では,従業員301人以上の企業に,一般事業主行動計画の策定が義務づけされることとなっております。この中で,女性の活躍に関する状況 把握の一つとして,女性管理職比率が掲げられていますが,各企業がそれぞれの状況に合わせて計画を策定し,女性の活躍を進めていくものとなってございま す。
 業種や規模,男女の従業員割合,正規職員割合など,企業ごとに状況がさまざまである中,例えば,女性管理職割合などについて,市で統一的に目標を設定することについては,現状では困難であると考えております。
 しかしながら,一般事業主行動計画の策定が努力義務となっている従業員300人以下の企業につきましては,今後,女性活躍のための支援策について取り組みを進めるなど,具体的な事業展開を図ってまいります。
 次に,少子化対策・人口減少対策のモデル地域とすることについてお答えいたします。
 本市は,合計特殊出生率が県庁所在都市で全国1位であるなど,出産,子育て環境が 整った都市であります。このすぐれた環境のもと,人口減少対策を推進していくため,本市の総合戦略においては,基本目標3,福井の優れた環境で,結婚,出 産,子育ての希望をかなえるにおいて,合計特殊出生率の全国トップクラスの維持を掲げており,今後とも少子化対策を初めとした人口減少対策に全力で取り組 んでまいります。
 最後に,今後の総合戦略の推進体制や検証方法についてお答えいたします。
 今後,総合戦略の推進に当たりましては,未来づくり推進本部を中心に,全庁的な取 り組みを進めてまいります。また,検証方法につきましては,同本部及び外部の有識者により戦略の実施状況の検証を行い,必要に応じて施策の見直しを行うな ど,より効果的な事業展開を図ってまいります。

 

◎福祉保健部長 高齢者福祉についてお答えします。
 初めに,パンフレットの作成についてですが,本市では,現在,介護保険のパンフ レットとして「介護保険あんしんガイド」を,また,高齢者福祉サービスのリーフレットとして「福井市在宅福祉サービス」を作成しております。これは,介護 保険と高齢者福祉サービスでは目的と対象者が異なるため,わかりやすくなるよう別々に作成しているものです。
 今後も利用者にとって利便性が高く,わかりやすいパンフレット等の作成に努めてまいります。
 次に,セミナーの開催についてですが,本市では現在,広く市民を対象に公民館等において地域の医師や訪問看護師,薬剤師等による在宅ケア講習会を開催し,在宅医療や介護についての理解,普及に努めています。
 また,高齢者の福祉や介護に関する市政出前講座を毎年開催しております。
 次に,ホームページの開設についてですが,現在,本市のホームページは,目的別では健康・福祉・保険,ライフイベントごとには高齢者・介護の項目で検索が可能であり,関係する情報が一目でわかるようになっています。
 続きまして,介護施設の空き状態がわかる仕組みについてですが,施設入所に当たっては,施設側が入所申込者の中から要介護度,心身の状況,介護者の状況等を総合的に判断し,入所判定を行っています。
 このように,申込順番や介護施設の空き状態が必ずしも入所に結びつくものではないため,施設申し込みに当たっては,まずケアマネジャーに御相談いただくようお願いしています。
 次に,デイサービスの利用時間延長についてお答えします。
 デイサービスの利用時間は,サービスを提供する事業者が独自に決定しております。
 事業者は,市内に84事業所あり,17時以降も開所している事業所が52カ所,このうち18時以降も開所している事業所が8カ所です。
 開所時間の延長については,今後,市内で介護サービスを提供する法人等の集まりである福井市介護サービス事業者連絡会などにおいて,事業者に呼びかけてまいります。
 また,介護保険あんしんガイドに掲載の事業者一覧に,デイサービス事業所に関する開所時間を掲載することについては,検討してまいります。
 次に,地域包括支援センターでの課題解決についてですが,例えば,認知症の症状が あるが介護サービスの利用に至っていないひとり暮らしの高齢者に対しては,民生委員や社会福祉協議会と連携して支援を行うなど,それぞれの課題に応じて介 護,福祉サービスなどの適切な機関につなぐとともに,地域ケア会議等を通じて解決に取り組んでいます。
 次に,地域ケア会議のメンバーですが,民生委員,自治会長,公民館等の地域関係者やケアマネジャー,サービス事業所従事者等の介護関係者,医師,看護師等の医療関係者,地区社会福祉協議会等の福祉関係者,警察,弁護士等であり,課題に応じてメンバーを構成しています。
 続いて,地域ケア会議の内容についてですが,地域の課題や個別事例をテーマに開催しています。
 地域の課題では,ボランティア等の人材や施設,それらを活用した地域ネットワークのあり方等を,個別事例では対応困難なケースについて,共通理解を深めながら具体的な支援策について協議しています。
 次に,課題への対応については,地域における課題や個別事例を分析した上で,関係機関や地域ネットワークを活用して,地域や個人のニーズに合った解決策を検討しています。具体的には,地域が主体となった認知症高齢者の見守り体制の整備などに取り組んでいます。
 次に,地域の生活支援コーディネーターについてですが,高齢者がこれまで培った能 力を生かし,支援が必要な高齢者を支える仕組みは,地域社会の活性化や本人の介護予防にもつながります。地域における生活支援コーディネーターの人材確保 に当たっては,元気な高齢者の活用を視野に入れて,今後,介護予防・生活支援サービス検討会議にて協議してまいります。

 

◎総務部長 先ほどの中村議員への答弁の中で,新たな就業の場の創出の内訳につきまして,農林水産業で1,000人と申し上げましたが,100人の間違いでございますので,訂正しておわび申し上げます。

 

(中村綾菜) では,自席にて再質問させていただきます。
 まず,御手杵の槍について前向きな回答をいただきましてどうもありがとうございます。イベントの集客力アップのためだけではなく,ぜひこのやりを活用して歴史の掘り起こしや人物の掘り起こしをやっていただきたいと思いますが,その辺の見解もお伺いいたします。

 

◎市民生活部長 今ほど副市長が答弁したとおり,そのやりについては,当然これから検討してま いりますし,それからいろんな地域の方々が,特に積極的に結城市との交流を行っている啓蒙地区を初めとする地域の方々がこういういろんなことに取り組む場 合にも,地域の誇り推進事業という補助事業もありますので,そういった中でいろいろと対応させていただきたいと思っております。

 

(中村綾菜)  私は,地域の人たちがそうやって一生懸命イベントをやっていて,またそういうやりを活用していただくというのも大事だと思いますし,福井の市民,県民の皆 さんにももう一度この結城氏についての歴史の掘り起こしと人物の掘り起こしをしていただきたいと思いますので,その辺を要望させていただきます。
 続きまして,高齢者福祉について。生活支援コーディネーターを地域にも設置するかどうか検討するということでした。元気な高齢者,例えば民生委員や婦人会の方も考えられますが,どんな方々を想像されているのかお伺いいたします。

 

◎福祉保健部長 国の示すものでは,第1層,第2層のコーディネーターという考え方がございま して,先日も御答弁させていただいたように,第1層については,地域包括ケア推進課に1人置いております。議員の御質問の地域において活躍していただく方 は,いわゆる第2層ということになりますけれども,この方々たちのイメージとしましては,例えば自治会長,あるいは民生委員,福祉委員,そのほかいろいろ あると思いますけれども,その地域の事情をよく御存じいただいていて,また福祉関係のいろんなサービスについても御理解いただいている方ということになり ますので,先ほど言いました自治会長を初め,民生委員児童委員等,コーディネーターの役割を十分理解していただける方というイメージを今のところ持っております。

 

(中村綾菜)  ぜひ推進していただきたいと思うんですが,地域包括ケアシステムを構築していくに当たって,生活支援コーディネーターを育成すること,そして地域包括支援 センターがリーダーシップをとっていくことが非常に大事になってきます。特に地域包括支援センターは,来年度から担当地域が変わったり,運営者が変わると いうこともあります。市はきちんと指導して,ビジョンを示して,引っ張っていっていただきたいと思いますが,その辺の見解をお伺いいたします。

 

◎福祉保健部長 議員のおっしゃるとおりだと思います。今,平成29年度の地域包括ケアシステ ムの開始に向けてビジョンをつくっているところでございますけれども,検討会議等で今の内容について十分検討してまいります。また,地域包括支援センター については,確かに平成28年度から新たな地区割りでやらせていただきますけれども,その方々たちとも連携しながら平成29年度からきちんと始められるよ うに頑張っていきたいと思います。

 

(中村綾菜)  ぜひ推進していただきたいと思います。そして,地域包括ケアシステムを構築するに当たっては,さっき言った竹田市の話とか,今,全国的にいろんな取り組み がなされております。ぜひいろいろ工夫して,何かそういったことが一つでも多く出てきてくれるように市がきちんと促していただけたらと思います。こちらは 要望させていただきます。
 続きまして,人口ビジョン・総合戦略についてお伺いいたします。
 たくさん目標値を示していただきましてありがとうございます。ぜひ今回の総合戦略にも載せていただきたいと思うんですが,その辺確認でお伺いいたします。

 

◎総務部長 いろいろと御提案いただきました。企業誘致に関する細かい御指摘もいただきました が,先ほども申し上げましたように,例えば大企業,中小企業,個人事業主,これら全てについて,政策推進といいますか,それらの事業主を対象としたいろん な政策が必要であると思いますけれども,これらの細かいところまで目標値を設定することは,現状の把握等が非常に難しいところもありますので,その辺は少 し難しいところもあろうかと思っております。

 

(中村綾菜) 企業誘致に関して細かく分けた目標値は示していただけなかったんですけれども,それ以外にもいろいろ数字が出てきたところが何個かあったと思いますので,その辺は総合戦略に載せていただくことはできないのでしょうか。

 

◎総務部長 先ほど回答の中でも幾つか申し上げさせていただきました。例えば,転入者,転出者 の件につきましては,年ごとにその総計に相当差がございます。これは,景気の変動とか企業の転勤者の増減等があるんだろうと理解しているんですけれども, そういうことがございますので,それぞれの目標設定というのは少し難しいかなと思っておりまして,その均衡を図るということを目標にさせていただいたわけ でございます。
 それから,UIターンにつきましては,先ほど申し上げましたように,移住者を年間200人にまで持っていくという目標値で進めていきたいと思っております。
 それから,多子世帯については,県では目標値を掲げておりますが,なかなか親が希望する子供の数というのはそれぞれ違いますので,慎重にならざるを得ないのかなということで,少し難しいかなと思っております。
 あと,管理職等についても,先ほどお答えさせていただいたとおりでございます。

 

(中村綾菜) 私が今質問しているのは,新たに目標値を示していただいたところがあるんですよ。例えば企業誘致300人,創業者支援100人,農林水産業で100人,あと,UIターンで200人を転入させるといったところは,これから載せていくのかという質問でございます。

 

◎総務部長 この総合戦略の体系を少し御説明したいと思うんですが,総合戦略の体系につきまし ては,まず,基本目標を4つ設定しております。その基本目標ごとに数値目標をそれぞれ設定しております。そして,その全ての基本目標ごとに合わせまして基 本的方向を18設けております。その基本的方向にそれぞれ具体的施策をつけておりまして,その具体的施策が全部で41ございます。その具体的施策の中で, その施策ごとの進捗状況を検証するための客観的な指標といたしまして,KPI,重要業績評価指標を全部で51設けているわけでございます。こういった業績 指標を設けることで進捗管理をしまして,全体的に基本目標の4つの数値目標を達成していきたいという構成になっておりますので,御理解いただきたいと思います。

 

(中村綾菜) では,少し質問を変えるんですけれども,目標値を示さなかったということは,今後どのように進捗状況の確認とか検証をしていくのでしょうか。

 

◎総務部長 先ほども申し上げましたが,目標値については,具体的施策ごとに51の重要業績評価指標というものを設けているわけでございます。今後この指標をそれぞれ進捗管理していくということでございます。

 

(中村綾菜) KPIには具体的に何人というところまで書かれていないものも多いので,具体的に何人ということとかを示していただきたいと思って私は質問させていただいたんです。
 あと,企業誘致についてなんですけれども,300人を目指すとの数値を示していただきました。大企業,中小企業,小規模事業者にかかわらず,平等に支援していただきたい。ここをきちんとやってほしいと思うんですが,御見解をお願いいたします。

 

◎商工労働部長 企業誘致の支援につきまして,細かい内容については,これからまた検討してまいります。ただ,大企業と中小企業の支援の仕方はおのずと変わってくるかと思います。

 

(中村綾菜) 業者からは,小規模事業者とか人数が少ない中小企業者への支援は手薄だという話を本当によく聞いています。都市計画の話とかでも議会ではよく議論されているんですけれども,ぜひ力を入れてやっていただきたいと思っております。
 そして,子育て環境についてですが,女性の管理職割合や,男性の育児休業取得割合 については目標を出さないということでしたけれども,本当に大事なところであり,本市の弱いところであると思います。しっかりと取り組んでいただきたいと 思います。私も押しているところなので,ぜひその辺も力を入れて,御検討をよろしくお願いいたします。
 あと,もう一点だけ,子育て環境について。今やはり福井市は日本一の子育て環境を 目指すというふうにこのビジョンにも掲げられておりました。しかし,まだ解決できていない課題はたくさんあると思います。何かといいますと,例えばひとり 親世帯とか,県外から単身で来ている方とか,そして核家族の方とか,そういった方々に対してはまだまだ支援が足りないとも聞いています。ぜひそういった 方々への対応策を考えていくことで,本当によりよい子育て環境が充実し,子育て環境の日本一につながると思っておりますが,抜き出た政策として,ひとり親 世帯への支援だけにもう一度特化してやってもおもしろいのではないかと思います。一番底辺の方々なので,そういった人たちもきちんと子育てができる環境と いうものをしっかりと整えていただけないでしょうか。お伺いいたします。

 

◎福祉保健部長 ひとり親世帯の方に対しては,児童扶養手当と,それから医療費の支援をさせていただいているということはこれまでも御説明させていただいていると思います。今,議員御発言のことなんかも考慮しながら,その点は今後進めていきたいと思います。

 

 

 

最新の活動報告

2024年2月26日(月)

令和5年12月一般質問

2024年2月26日(月)

令和5年9月一般質問

2024年2月26日(月)

令和5年6月一般質問

2024年2月26日(月)

令和5年6月一般質問

2023年6月20日(火)

令和5年3月定例会等

活動報告一覧へ戻る

Page Topへ