平成26年12月定例会
2016年4月14日(木)
市民クラブの中村綾菜です。私はことし4月に女の子を出産しまして,その赤ちゃんももう8カ 月になりました。子供を産んで感じたことは,この子供の未来のために,私たちは何をすべきか,何が大事か,やはりそういったことを大切に常に考えていかな ければならないということです。人口減少,少子・高齢化,そして借金1,000兆円,地方衰退による若者の県外流出,今の私たちの世代にとっては,それほ ど問題ではありませんが,子供たちの未来を考えると,本当に不安です。いま一度,子供たちの未来のために何ができるか,そして子供たちのことを考えたわか りやすい市の政策,方針を聞きたいと思います。そういった思いで,きょうは自転車行政について質問させていただきますので,明快なお答えをいただきますよ うよろしくお願いいたします。
まず1点目,本市における自転車の推進についてお伺いいたします。
福井市のホームページによりますと,福井市が自転車を推進する理由は,自転車が通 勤,通学,買い物などさまざまなシーンで気軽に利用できる乗り物だから,また自動車と違って二酸化炭素などを出さないため環境に優しく,健康,経済の面か らもすぐれた点を持っているからでした。これでは,どこの市でもやっているから福井市もやってみようという意味にしか捉えられませんし,福井市がわざわざ 自転車行政を行う意味が市民には理解できません。
先日,大阪府の堺市へ市民クラブと政友会で視察に行ったのですが,堺市では自転車 産業が根づいており,株式会社シマノという自転車業界では有名な会社があり,小さな自転車屋があちこちに点在しており,市を挙げて自転車産業を守っていま した。それだけの覚悟があるから,行政は,自転車が走りやすい道を整備して,そして安全対策も徹底して,そして放置自転車対策もしっかりして,これだった ら市民も自転車に乗りたいという思いになっているようでした。
そこで質問いたします。
なぜ福井市が今,自転車を推進するのか,お伺いいたします。
続きまして,2点目,道路の整備についてお伺いいたします。
本市が自転車を推進し,これから自転車に乗る市民や観光客がふえると,それに比例 して危険がふえていきます。自転車と車,自転車と人,自転車同士の事故などあらゆる危険があります。それらにどのように対応していくのでしょうか。危険を 回避するためには,道路整備も進めていく必要があると思います。例えば,自転車の専用レーンをつくったり,交差点での自転車指導帯をつくったりなどです。
そこで質問いたします。
将来的にいつごろまでに,どのようなことをしていくのでしょうか,お伺いします。
3点目,サイクルシェアについて。
現在,サイクルシェア社会実験,ふくチャリが本市において行われておりますが,平 成25年度の利用者は,県外の方が67%,市内の方が15%となっています。主に観光目的で利用している方が多いように思います。今後もふくチャリは,観 光客をターゲットに貸し出しをしていく予定なのでしょうか。それとも市民の方々にも借りていただきたいということでしょうか。市民の方々に借りていただけ るようにするためには,現在あるふくチャリの駐輪場の場所では人の流れと合っていません。例えば,福井大学や藤島高校などの学生をターゲットにするなら ば,田原町駅にも駐輪場が必要だと思います。また,大和田方面や開発方面に買い物に行く人をターゲットにするならば,エルパにも必要だと思います。誰を ターゲットにするのか,福井市内のどこまで広げるのかなどを決めていく必要があります。
そこで質問いたします。
サイクルシェアについて,将来的にいつごろまでに,どのようなことをしていくのか,お伺いします。
4点目,中心市街地における駐輪場の整備について。
先日,中学生の職場体験の受け入れをさせていただき,そのときにふくチャリに乗っ て中心市街地における自転車の乗りやすさの調査をいたしました。そのときに感じたのが,中心市街地の駐輪場の少なさです。ふくチャリを利用するに当たり, モデルコースが書かれた地図をいただき,それをもとに実際行ってみましたら,自転車をとめるところがなく,どこにとめるか迷ってしまいました。例えば,柴 田神社に行きましたが,柴田神社の境内の中にとめていいものか迷いました。さらに,どこにでもとめたら撤去されてしまうと思いまして,冷や冷やしました。
ふくチャリを利用する多くの観光客は,今,同じ気持ちだと思います。調べてみましたら,中心市街地には,現在,駐輪場が2カ所しかありませんでした。
そこで質問いたします。
今後,中心市街地における駐輪場をどのように整備するのか,お伺いいたします。
5点目,サイクルロードの整備について。
現在,九頭竜川沿いのサイクルロードは途中で切れておりまして,整備を進める必要があります。また,足羽川沿いのサイクルロードも,一乗谷朝倉氏遺跡までの道のりをさらにわかりやすく,楽しくするために工夫する必要があると思います。
今後,サイクルロードをどのように整備していくのか,お伺いいたします。
そして最後に,本市らしい自転車の推進について。
競輪事業を行い,有名な競輪選手を輩出している本市として,スポーツサイクルを推 奨することは,福井市らしい政策になり,市民に受け入れられやすいと思います。また,スポーツサイクルで琵琶湖や瀬戸内海を回るサイクリングコースが以前 からブームになっています。本市においては,JR福井駅から一乗谷朝倉氏遺跡までのサイクリングコースや,越前海岸沿いのサイクリングコースを県内外へ PRし,サイクリングのメッカになることも可能です。
そこで質問します。
本市においてスポーツサイクルを推奨してはどうかと考えますが,御所見をお伺いいたします。
以上で総括質問を終わります。
◎市長 私からは,自転車行政についてのうち,自転車の利用推進についてお答えいたします。
本市における利用交通手段の状況は,自動車中心の傾向が強く,自転車の利用割合が少ない状況ですが,自転車の利用は持続可能な集約型のまちづくりや地球温暖化による環境問題への対応として重要であると考えているところです。
本市では,これまで放置自転車対策を初め,JR福井駅などに設置されている自転車駐車場の維持管理,サイクルシェアの社会実験,一乗谷朝倉氏遺跡でのレンタサイクル及び自転車利用のマナー啓発などに取り組んできました。
これらの事業は,5つの部署において実施されていたことから,効率的な行政運営に取り組むため,自転車に関する事業を今年度から一元化し,都市戦略部内に自転車利用推進課を設置いたしました。
自転車は,環境に優しく,経済的で,健康増進が図られるなどのさまざまな利点を持つことから,今後,自転車をまちづくりの一手段として位置づけ,市民や観光客などが安全で快適に自転車を利用することができるよう取り組んでまいります。
◎都市戦略部長 自転車行政についてのうち,整備事業の実施時期と内容についてお答えいたします。
日常生活の快適性や安全性を高めるための道路整備につきましては,平成24年に国 から,自転車走行空間の整備を推進するための,安全で快適な自転車利用環境創出ガイドラインが示され,また平成25年には,自転車の右側路側帯の通行を禁 止するなどの道路交通法の改正がなされました。
現在,これらを踏まえまして,自転車走行空間の整備につきまして,どのように整備を進めていくべきか検討を進めているところでございますが,今後,まず,交通規制状況を含め車道や歩道の現状などにつきまして十分な基礎調査を実施してまいりたいと考えております。
また,交通ルールやマナー遵守も重要であることから,これまで実施しております普及啓発活動や交通安全教室などについても,今後も引き続き取り組んでまいります。
次に,サイクルシェアについてお答えいたします。
サイクルシェアは平成27年3月までの社会実験のため,中間報告となりますけれど も,利用回数は,平成25年度は2,440回,平成26年度は10月末現在3,179回と,既に前年度を上回っておりまして,カーフリーデーなどの各種イ ベントやケーブルテレビ,それから情報誌などで広報活動を実施した効果があらわれてきたものと考えております。
また,市内の利用者の割合は,平成25年度は15%であったのに対しまして,平成26年度は24%に増加しており,市民の方々にも認知されてきていると感じております。
サイクルシェアは,県都デザイン戦略や足羽山・足羽川周辺空間再形成基本構想におきまして,まちなかを快適に散策できる環境をつくるための交通ネットワークの形成を図る事業として位置づけられております。
今後,観光施設や交通結節点へも貸出ポートを設置するなど,市民や観光客のさらなる自転車利用を促進することにより,にぎわいと交流の創出を図ってまいりたいと考えております。
次に,中心市街地における駐輪場の整備についてお答えいたします。
現在,福井市中心市街地におきまして,市が管理しています自転車駐車場は,JR福井駅自転車駐車場と福井駅南暫定自転車駐車場の2カ所となっております。
また,そのほかにも,来客向けに自転車駐車場を設けている観光施設や店舗もございます。
しかし,中心市街地では,路上駐輪が多く,歩行者の通行の妨げになっていることから,空き地や空き店舗を活用するなど,自転車駐車場を分散して整備する方向で地元商店街と協議を進めているところでございます。
なお,柴田神社では,自転車駐車場を明示はしておりませんけれども,あいているスペースにとめてもよいとのことでございます。
次に,サイクルロードについてお答えいたします。
本市には,九頭竜川や日野川沿いの永平寺福井自転車道や足羽川沿いのサイクリングロードがありますが,いずれも県が設置,管理を行っております。
これらは,既存の河川敷や堤防及び一部道路を利用して,連続性のあるサイクリングロードとして整備されております。
県では,足羽川沿いのサイクリングロードと一乗谷朝倉氏遺跡までのネットワーク化を図るために,ロード上の分岐点に目的地までの距離を示す路面標示や案内標示を設置しております。
また,えちぜん鉄道株式会社が実施しております自転車をそのまま電車内に持ち込むことができるサイクルトレインを利用して,サイクリングロードを楽しむことも可能でございます。
本市としましては,今後,県やえちぜん鉄道と連携しながら,市民はもとより多くの自転車愛好者に楽しんでいただけるよう情報提供に努めてまいります。
最後に,スポーツサイクルの推奨についてお答えいたします。
近年,自転車が脚光を浴びており,健康志向の高まりも背景となってスポーツサイク ルも身近なものとして,利用者がふえております。今後,スポーツサイクルを推奨していくためには,安全に走行するためのコースの設定や交通規制などの課題 も多くありますので,関係機関と協議しながら,どのような取り組みが可能なのか,検討してまいります。
(中村綾菜) 前向きな答弁をたくさんいただきまして,どうもありがとうございました。それでは,自席にて再質問させていただきます。
まず,サイクルシェアを推進していくという御答弁をいただきましたので,素朴な疑 問なんですが,わざわざお金を出して自転車を借りようという市民がどれぐらいいらっしゃるのかと私は疑問に思っております。自転車は今,3,980円で 売っているものもあるそうなんですが,やはり買った方が安いのではないかと思うんです。その辺,どうやってサイクルシェアを進めていくのかというのが疑問 なんです。
堺市の場合は,駐輪場の使用料が月に2,000円かかり,貸し出し自転車の使用料 も定期利用で月2,000円と大体同じぐらいだから市民の方はこのサイクルシェアの自転車を使ってみようという判断になるそうですが,福井市は本当にサイ クルシェアを進めていくべきなのか,本当にニーズがあるのか,そういったところをもう一度考えてみたほうがいいのではないかと思うんですけれども,いかが でしょうか。
◎都市戦略部長 サイクルシェアの社会実験をやったとき,まだ中間報告なんですけれども,前年 から比べますと利用者数は確実にふえてきております。そして貸出ポートが11カ所だったと思うんですが,それぐらいの数で現在,社会実験を行っているわけ なんですけれども,やはり御指摘のように,どうしても観光客やビジネス客の利用が多いというのが現状でございます。しかし,やはりこの自転車は,先ほども 述べさせていただきましたように,健康とか経済面とか環境面とかいろんなメリットがございます。そういった面でぜひこのレンタサイクルをいろんな方に利用 していただいて,それによってこの町のにぎわいに寄与するものだと理解しております。
(中村綾菜) その答弁だときっと自転車を買う人はふえると思うんですが,このサイクルシェアでのふくチャ リを利用する人がどれぐらいふえるのかというのが,やはり少し疑問ですので,借りたくなるような仕組みづくりというのも,何かもう少し考えたほうがいいの ではないかと私は思います。市民もきっとそう思うのではないかと思います。
それともう一つ,現在,大人はなかなか自転車に乗りませんが,中学生や高校生は自 転車に乗っていると思うんです。私が高校生のときも中学生のときも乗っていました。ぜひ中学生,高校生に意見を聞いてほしいと思っております。先ほど計画 をつくるという御答弁もありましたので,ぜひその辺もお願いしたいと思うんです。先日,職場体験に来ていただいた中学生も,どこが走りにくいか,どこが危 険なのかをよく知っていました。私にいっぱい教えてくれました。ぜひそういった声も聞いていただきたい。なぜかといいますと,今,安全マップというのが市 内にはあるんですが,あれは小学校単位のマップでして,中学生や高校生の目線というのは余り入っていないように思います。そういったくくりで,ぜひ中学 生,高校生の声も聞いていただきたいと思うんですが,いかがでしょうか。
◎都市戦略部長 確かに子供目線といいますか,学生というのは一番自転車を利用されている方だ と認識しております。そういったところを踏まえますと,やはりそういった,よく自転車を利用する中学生とか高校生の意見というのも大事だと思いますので, 参考にしていきたいと思っております。
(中村綾菜) それでは,道路や歩道の調査を行うと答弁にありましたが,いつまでに行うという何か目標がありましたら教えてください。
◎都市戦略部長 先ほども少し答弁させていただきましたが,今のところまず道路の状況を把握す るための基礎調査,とりあえずそこをしっかりとやらないと,どう整備するのかというのが見えてきませんので,まず基礎調査をやらせていただきたいと計画し ているところでございます。
(中村綾菜) その基礎調査というのは,いつごろまでに終わるものなのでしょうか。
◎都市戦略部長 来年度からやる予定をしておりますけれども,自転車を利用する区域といいます か,まずそこら辺を設定する必要があろうかと思いますので,来年度にどれぐらいできるのか,それがその先にどれぐらいまで広げられるのかというのをこれか ら検討していかなければならないと思っているところです。
(中村綾菜) 福井国体があるんですけれども,ぜひそれまでに調査を終えて,ある程度整備を進めてほしいと 思います。それはなぜかといいますと,JR福井駅におり立った方々が運動公園ないし各施設まで自転車で行くということも考えられるかもしれないですし,た くさんの観光客の方がいらっしゃると思います。ですので,おもてなしという意味でも,ぜひ福井国体を目指して,それまでにすべきだと思いますが,いかがで しょうか。
◎都市戦略部長 精いっぱい早く取り組んでいきたいと思っております。
(中村綾菜) 私が言いたかったことは,ぜひ腹を決めて,覚悟を決めてやっていただきたいということなんで す。何年かかけて整備を進めればよいというのでは,整備を進めるうちに市民の方も自転車に乗ってくれるようになるだろうという気持ちでは,やめたほうがい いのではないかと思います。なぜかといいますと,やはりこれまでも,議会で自転車専用レーンをつくってほしいとか,または危険箇所があるので歩道をバリア フリーにしてほしいとか,いろいろ要望をしてきましたが,なかなか進んでいないという現状があります。今回のふくチャリも利用者がふえているということで すが,自転車の利用を推進するに当たって,それに比例して事故もふえてくるんです。堺市では,本当にそのことに危機感を持ってやっているようでした。自転 車整備という担当が自転車まちづくり推進室の中にあり,また自転車道整備担当もありまして,それぐらいお金と人手をかけてやっているというのが非常に印象 的だったんですが,とにかく自転車を推進するに当たって道路整備の費用もかかる。そして,放置自転車の撤去費用もまたふえていく。そして,事故も多くな る。そういった中で,本当にそれでもやるというのならば,市民の皆様やそして市職員の皆様に対して,それでも自転車を推進する必要があるという明快な目標 というんですか,なぜ福井市がやらなければいけないのかという,そういった目的が必要だと思います。なぜやるのかというのをいま一度考えていただき,他市 がやっているから,環境にとって必要だからというありきたりのものではなくて,もっと福井市らしい自転車行政に取り組んでいただきたいと思います。これは 要望にしておきます。よろしくお願いいたします。
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