平成30年度9月定例会
2018年11月20日(火)
(中村綾菜) 市民クラブの中村綾菜です。通告に従い一般質問をさせていただきます。
まず,近年の豪雨災害を受けての検証について質問します。
6月28日から7月8日にかけて,西日本を中心に北海道や中部地方など,全国的に広い範囲で台風第7号及び梅雨前線等の影響により集中豪雨があり,西日本の広範囲を襲った豪雨で亡くなられた方は200人を大きく超え,平成に入って最悪の豪雨災害となりました。被害に遭われた方にお見舞いを申し上げるとともに,亡くなられた方の御冥福をお祈りします。被害状況については,ほかの議員の質問にもありましたのでカットいたしますが,51人が亡くなられた倉敷市真備町で特別養護老人ホームを営んでいる岸本さんという方は,帰宅していた職員や法人本部の応援要員ら約30人を招集し,無駄足になってもいいという覚悟で入所者36人を約2キロメートル離れた系列の施設に車で搬送しました。その後,老人ホームは浸水し,一難を逃れたということでした。空振りを恐れず避難することの大事さというのを改めて実感したところでございます。
本市においては,7月5日の18時から土砂災害の危険性や川が氾濫する危険性が高まることが予想された地区の公民館を避難所として開設しました。しかし,避難された方は昨日の答弁によると37人と,ほとんどいなかったようです。住民の方々にお聞きすると,近所の方が避難していなかったから,平成16年の福井豪雨のときよりも雨の量が大丈夫だったから,そういった声を聞きました。そして避難しなかったようです。
先日市民クラブでは,つくば市にある国立研究開発法人防災科学技術研究所──以下,「防科研」という──を視察し,西日本豪雨災害,福井豪雨災害,平成25年の伊豆大島土砂災害,平成26年の広島土砂災害,平成27年の常総市の水害について,なぜこのような災害が起こったのか,そして被害を軽減するためにはどのようなことができたのかについて研修を受けてきました。また先日,福井市議会の2期生を中心とした有志が集まり,福井工業高等専門学校の辻子裕二教授をお呼びして土砂災害についての研修会を開催しました。辻子教授は土砂災害の専門家というだけではなく,防災士を県内に広めた第一人者でもあり,防災についても見識がある方です。辻子教授によりますと,土砂災害に逃げおくれは許されない,早期避難が最も大事ということです。しかし,土砂災害については逃げ時が不明確であるため,少なくとも気象庁からのサインを逃してはいけないとのことでした。さて,どのようにしたら土砂災害のとき逃げおくれずに市民が避難できるかについて,防科研や辻子教授の提言も受けましたので,以下,質問させていただきます。
まず,災害が起こった場合,市の職員がさまざまな気象情報を確認し,避難勧告等の判断に活用するのですが,平成26年の広島土砂災害においては1時間ごとにしか気象情報を整理せず,急激な気象条件の変化に対応できなかったとのことです。防災担当者が気象情報を的確に分析し,判断に生かすためにはどうすべきか。例えば気象情報が10分ごとに提供されるようなシステムにすべきと考えますが,御所見をお聞きします。
また,防災担当者はどのような気象情報を入手しているのでしょうか。気象庁のホームページ,県の防災ホームページ,民間気象会社の情報などさまざまな情報を入手していると思いますが,私たちが視察した防科研のホームページはごらんになっているのでしょうか。このホームページでは,雨量と土砂災害危険度を細かく250メートルメッシュであらわしているなど,非常にわかりやすく表示されております。防科研のホームページの今後の活用についてもお聞きいたします。
常総市の水害では,隣接する下妻市から避難所に常総市民を受け入れ可能であるという連絡があり,常総市民に向けて下妻市への避難についてアナウンスをしたそうです。一定規模以上の災害の場合には,被災自治体からの要請を待たずに,このように関係機関が整合的で連携のとれた支援ができる体制が必要であると考えますが,国,県,周辺自治体と今後どのような連携体制をとるのかについてお聞きいたします。
また,常総市災害対策本部において,警察,消防,自衛隊,県,国土交通省の各関係機関が災害対策本部に参加できなかったために情けないくらい市内の状況がわからなかったという反省があったそうです。本年,本市でも豪雪により災害対策本部が設置されましたが,各関係機関は参加されたのでしょうか。今後どうするべきかも含めてお聞きいたします。
広島土砂災害においては,避難勧告や避難指示が間に合わないということがありました。避難所の準備に時間を要したため,判断から発令までに時間がかかったとのことですが,本市ではどのようなタイミングで避難勧告や避難指示を出しているのでしょうか,お聞きいたします。
市が避難勧告を出しても市民が避難しようと思わなければ意味がありません。先ほども申し上げましたが,福井市民は福井豪雨を経験しているので,あのときの雨量と今の雨量を比べて,今の雨量であれば大丈夫と思い込んでしまう傾向があります。防科研に行ったときに,まず初めに担当の方から言われた言葉が「福井は一度豪雨災害が起こった場所。必ずまた起こる」ということでした。非常に危機感を覚えました。福井市民の意識改革についてお聞きいたします。
また,御近所の方が避難しないから自分も避難しないということもあります。そこで,率先して避難する人を地域でつくる,育成するということが必要です。近所の方に避難しますかと聞くのではなくて,みずから私は避難しますと言い切るキーパーソンを育成してはどうでしょうか,お聞きいたします。西日本豪雨で被害に遭った真備町では,いち早く避難すると決めた先ほどの岸本施設長がキーパーソンでした。
また,土砂災害については,逃げ時がわからないという方も多くいらっしゃいます。土砂災害の前兆としては,ゴーという音が聞こえる,木が裂ける音や,木の根が切れる音が聞こえると言われていますが,実際には大雨のときには聞こえないそうです。しかし,湧き水がふえたり,崖から小石がぱらぱら落ちてくるというのは目でわかります。いつもと違う様子をいち早く察知することが大事であり,いち早くこの状況を住民に伝える人が必要です。こういったキーパーソンを育成してはどうでしょうか,お聞きします。
また,避難しない理由としてもう一つ,自分だけ避難して避難先のお世話になって悪いのではないかという感情が働く方もいらっしゃるそうです。避難先についてですが,必ず指定された避難所に避難しなくてはいけないという考えを取っ払っていただきたいものです。例えば,ショッピングセンターや映画館など気軽に行けるところ,自宅以外で気軽に行けるところへ避難してはどうでしょうか。こういった啓発もお願いできないかお聞きします。
しかし,避難ができたとしても,避難先である学校や公民館が被災しては意味がありません。本市には,土砂災害の危険区域にある学校や公民館もございます。学校や公民館等の主要施設の再点検,移転等も行うべきと考えますが,お聞きします。
最後に,救助におけるSNSの活用についてですが,東北大学災害科学国際研究所,佐藤准教授,今村教授の論文によりますと,平成29年7月九州北部豪雨災害において「#救助要請」と投稿したのは30件で,リツイートとシェアという形では51件あったそうです。しかし,実際に救助に結びついたのはたった1件だったそうです。実際に救助を求めた人以外の人が投稿してしまっているため,本当に救助が必要な人がわからなかったとのことです。これが問題になっております。今後のSNSの活用についてはSNS教育が必要であると考えますが,御所見をお聞きします。
続いて,再生可能エネルギーの促進についてお聞きします。
東日本大震災及び東京電力福島第一原子力発電所事故をきっかけとしたエネルギーをめぐる国内外の環境の大きな変化から,国はエネルギーに関する将来像を示し,2030年までには火力発電は56%,再生可能エネルギーは22から24%,原子力発電は20から22%になると見込んでおります。しかし,2018年版エネルギー白書によりますと,2016年時点で火力発電の供給量の割合が約84%と急速にふえております。この背景には,御存じのとおり原子力発電所の稼働停止があります。石油や石炭などの燃料を燃やす火力発電は二酸化炭素の問題が大きく,二酸化炭素が大幅にふえ続けているのは大きな問題であります。また,再生可能エネルギーは6.9%で,2009年の1.1%に比べ固定価格買取制度の導入により5.8%伸びましたが,国からの補助が途絶えたのでここの伸びは期待できないのではないかと考えております。
本市においても2030年の再生可能エネルギー目標値22から24%を目指し,さらなる推進をしていただきたいものですが,再生可能エネルギー推進についての今後の全体的な方向性についてお聞きいたします。
再生可能エネルギーのうち割合を多く占めている太陽光や風力などは,天候に左右されやすい不安定なエネルギーということで余剰電力が発生した場合には電力需給バランスを最適に調整する必要があるという課題があります。そこで近年,その解決策の一つとして期待されるのが余剰電力を水素として貯蔵する技術です。水素は,再生可能エネルギーを含め多様なエネルギー源からの製造,貯蔵,運搬が可能であることに加え,利用時に二酸化炭素を排出しません。また,気体という性質を持った水素は保存するには場所をとり過ぎると懸念されておりましたが,近年化学反応させて気体から液体や固体として貯蔵する技術が発明されておりますので,貯蔵にも非常に便利なものとされ,今後の活用が期待されております。国では昨年12月,水素基本戦略が決定され,2050年を視野に水素社会実現ないし水素社会を実現することで3E(エネルギー安全保障,経済効率性の向上,環境への適合)プラスS(安全性)の達成を目指すとともに,この水素をガソリンと同じ単価にする,供給できるようにするという目標も設定しております。原子力発電所事故を経験した福島県では,福島県再生可能エネルギー推進ビジョンにおいて2040年をめどに県内エネルギー需要量の100%以上に相当する量のエネルギーを再生可能エネルギーで生み出すという目標を掲げ,福島新エネ社会構想の中で水素社会実現を掲げ,水素製造に関する実証研究や水素利用の拡大に力を入れています。
福島再生可能エネルギー研究所がある郡山市では,水素利活用推進研究会を発足させ,産業誘致や技術開発を進めるための研究を開始しました。本市においても水素社会実現のため,他の自治体とも競合しながらいち早い取り組みをしていっていただきたいのですが,水素エネルギーの推進についての今後の方向性をお聞きいたします。水素エネルギーをどのように活用できるのか,例えば産官学連携にて研究会を立ち上げ,まずは研究してはどうかと思いますが,今後の見解をお聞きいたします。
続きまして,婚活支援についてお聞きします。
近年,恋人と出会うきっかけの場が変わってきているようです。リクルートのブライダル総研の調べによりますと,同じ会社や職場での出会いが19.8%,友人の紹介が15.5%,サークルや趣味,習い事の活動が13.9%,同じ学校やクラスが13.0%という中,インターネットでの出会いが11.4%と,10人に1人がネットでの出会いから恋愛につながっているということです。反面,婚活イベントやパーティーでの出会いは3.9%と低い割合であるということがわかってきております。また,2017年の婚姻者のうち婚活サービスを通じて結婚した人は10.4%で,年々増加しております。婚活サービスのうち,ネット婚活も含め婚活・恋活サイトやアプリを利用したのは5%,婚活パーティーやイベントは2.9%,結婚相談所は2.5%とのことです。婚活サービス利用者に限って見ると,婚活サービスによって結婚した人の割合は38.1%,利用すれば結婚に至る可能性が高く,また他の婚活に比べ婚活サービスは全体的に成功率が高いということもわかってまいりました。
本市における婚活サービスは,婚活イベントやセミナーの実施を行っております。平成29年度に開催した婚活イベントでのカップル成立割合を見ると多いのではないかと思いますが,全国的に近年の傾向を見ると,イベントから結婚につながる割合は低くなっております。婚活イベントに参加された男性の話を聞くと,話すのが苦手という方がなかなか自分を出せずに時間だけが過ぎていってしまうとのことです。話すのが苦手という方は自分を出すのに3カ月必要であるという検証結果もあるそうです。イベントから恋愛に発展するのは難しいのではないかと思っております。さらに,婚活イベントでうまくいったとしても,その後マッチングをしてデートをして距離を縮めていくというのは自分でやりますので,恋愛偏差値が低い方はここでも割と厳しい戦いを強いられるということです。
反面,結婚相談所は1対1のお見合いのセッティングを行ってくれたり,2回目のデートをする場合でも仲人さんが間を取り持ってくれるということで,デートの誘い方がわからないという方にはぴったりです。本市では結婚相談所を配置しておらず,結婚相談について常に電話がかかってくるそうですが婚活サービスをお知らせするにとどまっているそうで,せっかく相談の電話があるのですから,親身になって相談を受けてほしいと思っております。
また,システマチックなお見合い結婚はちょっと,でも恋愛結婚は難しそう,そんな人にぴったりなのがネット婚活です。マッチングサイトもふえております。富山県の婚活サイトを見ると,ネット上でもマッチングサービスを行っているようでした。スマートフォンになれ親しんだ20代に聞くと,婚活アプリの利用には抵抗がないそうです。私たち30代はフェイスブックが主流ですが,そこでの出会いから実際のつき合いにつながっていくというのもよくあります。もちろん,ネットでの出会いは危険があるということを否定するものではありません。先ほども申し上げましたが,婚活サービスを利用する方は10.4%と年々増加し,婚活サービスによって結婚した割合は38.1%ということです。さらなる婚活サービスの向上を図るべきと考えますが,近年の動向を踏まえ今後どのように行っていくのか,結婚相談所の新設やネット婚活の新設を検討してはどうか,お聞きします。
最後に,認可外保育施設や企業内保育施設への支援についてお聞きします。
本市においては,認可外保育施設は38施設あり,一時預かり施設のほか企業内保育施設があります。一時預かり施設は,買い物,イベント,行事への参加などで一時的に子どもの世話ができない場合に利用する施設で,とても便利な施設です。私は仕事のためによく利用させていただいておりますが,私が利用するところはいつもいっぱいです。企業内保育施設は,国に届け出するもの,市が認可するものなどがありますが,企業の育児中の従業員を支援するために設置している施設で地域に開放しているところもあります。とても便利でありがたいという従業員の声も聞いておりますし,設置してから女性がやめなくなったという経営者の声も聞いております。女性の活躍推進に大いに貢献しているだけではなく,近年の人手不足解消にも貢献していることがわかります。しかしながら,認可外保育施設は認可保育施設と比べ施設設置や運営に関する助成が少なく,本市に関しては助成を行っておりません。そのため,継続して運営していくには厳しいという声も聞いております。お金に苦労しているということは質の低下にもつながっていくことが懸念されます。今後,認可外保育施設はどのように支援していくのか,ぜひ助成制度の成立をお願いしたいところですが,今後についてお聞きします。
さらに,企業内保育施設のニーズはふえていくと思いますが,市は事業所内保育所の認可は現在しておりません。市内の保育ニーズを満たしているため,現在は新たな施設をつくることはできないというのが見解であると思いますが,近年の多様なニーズ,例えば先ほど申した女性の活躍促進,人手不足の解消に対応していないのではないでしょうか。今後の事業所内保育所の方向性についてお聞きします。
以上,読み上げによる総括質問を終わります。ありがとうございました。
◎副市長(西行茂君) 私からは,認可外保育施設等への支援についてお答えします。
まず,認可外保育施設とは,県や市の認可を受けていない保育施設の総称で,一時預かり所等のベビーホテルや事業所内及び病院内保育施設等がございます。事業開始の際には県への届け出が義務づけられており,県が認可外保育施設指導監督基準に基づき原則年1回の立入調査を行っているところでございます。
認可外保育施設への支援としては,国において平成28年度から事業所内保育業務を目的とする施設等の設置者に対して運営費や整備費の助成を行う企業主導型保育事業を実施しており,現在市内の4事業所が助成を受けて運営しています。本市では,平成27年度から5カ年の福井市子ども・子育て支援事業計画に基づき,私立幼稚園の認定こども園化等により計画期間内に保育需要を満たし待機児童ゼロを維持することとしており,既存の認可施設の整備や保育の質の向上に重点を置いて支援を行っております。
また,一時預かりにつきましても需要を把握し,すみずみ子育てサポート事業において市内の認可外保育施設である10施設等を利用する際の施設利用者への利用料補助を行っております。
来年度の中核市移行に伴い,現在県が行っている認可外保育施設の届け出受理や立入調査の権限が市に移譲されるため,今後は認可外保育施設につきましても必要な助言,指導を行うこととなります。
次に,事業所内保育事業の方向性についてです。
本市では,平成32年度からの次期子ども・子育て支援事業計画に反映させるため,今年度,未就学児の保護者を対象としたニーズ調査を実施し,今後の保育需要を把握した上で市全体の保育園や認定こども園のあり方について検討を進めることとしております。その中で,事業所内保育事業の認可等,新たな施策の必要性についても検討してまいります。
(市民生活部長 牧野浩君 登壇)
◎市民生活部長(牧野浩君) 近年の豪雨災害を受けての検証についてお答えします。
まず,気象情報の分析についてですが,防災気象情報提供業務では,雨量や河川水位は10分ごとに,気象レーダーは5分ごとに更新されることになっております。そのほか,土砂災害の避難判断基準としている県の土砂災害危険度情報も10分ごとに更新されます。これらを避難情報の発令の判断や警戒態勢の検討などに活用しているところでございます。最新の情報を逐一確認し的確に分析することにより,急激な気象の変化にも対応した防災対策ができるように努めております。
次に,入手している気象情報についてですが,本市では国や県,民間気象予報会社が一般に公開している情報のほかに,国や県が自治体にのみ提供している詳細な気象情報,防災気象情報提供業務による本市に特化した気象情報などを入手しております。
国立研究開発法人防災科学技術研究所のホームページについてでございますが,その存在については存じております。このサイトにつきましては,国土交通省や気象庁が観測している雨量や土砂災害危険度などの情報が一つにまとめられています。今後につきましては,このサイトについても防災業務に活用してまいりたいと思っております。
次に,国,県,周辺自治体と今後どのような連携体制がとれるのかについてですが,本市を含め県及び県内市町は福井県・市町災害時相互応援協定を締結しており,災害発生時においては食料,飲料水などの物資提供,応急活動等に必要な職員の派遣,避難者の受け入れなど相互応援の連携体制をとっているところでございます。また,現在策定中の災害時応援・受援計画の中で,被災自治体からの要請を待たずに迅速に支援する体制の構築を図ってまいります。
次に,大雪時に災害対策本部が設置された際の各関係機関の参加についてでございますが,国,県及び各関係機関とは常に連携し情報共有を図っていたため,本市災害対策本部への参加は要請しませんでした。
また,関係機関の災害対策本部への参加をどうすべきかについてでございますが,今後は災害の規模や被害状況により,地域防災計画に基づき意見聴取や連絡調整等のため必要に応じて参加を要請してまいります。
次に,避難勧告や避難指示を出すタイミングについてでございます。
本市は,地域防災計画に基づき迅速で適切な避難勧告などの避難情報を発令するため,避難勧告等の判断基準及び伝達マニュアルを作成しており,このマニュアルをもとに発令の判断や情報の伝達などを行っているところでございます。例えば土砂災害における避難情報発令の判断基準として,土砂災害警戒情報が発令された場合は避難勧告を,さらに記録的短時間大雨情報が追加発表された場合は避難指示を,気象予測等を視野に入れて発令することとしております。
次に,災害に対する市民の意識改革についてお答えします。
本市では福井豪雨の翌年から,防災センターや市民ホールなどで福井豪雨に関するパネル展を開催したり,防災フェアにおいて他県で発生した豪雨などの生々しい映像を上映するなど,災害が身近に起こり得ることを市民が意識し,自分の身は自分で守るという危機感を持っていただけるように努めております。今後につきましても,パネル展や防災フェア,出前講座などさまざまな機会を通じ防災意識の向上に努めてまいります。
次に,率先して避難をするキーパーソンの育成についてでございます。
本市においてみずから避難行動を起こし,周囲に避難を促す役割を担う者としては,各自治会で組織されております自主防災組織がございます。この自主防災組織に対しまして,土砂災害に対する避難に限らずさまざまな災害時の避難行動について研修会や出前講座,図上訓練などを行い,自発的に避難し,他の住民にも避難を呼びかけるといった自主防災組織としての自覚を持つ体制づくりに努めております。
次に,ショッピングセンターや映画館などへの避難の啓発についてでございますが,本市では風水害時には公民館,地震時には小学校を指定避難所として開設することとしております。避難情報が発令され,指定避難所への避難が困難な場合,臨機応変な措置として建物の2階など高所に避難する垂直避難や,一番安全だと考える建物に避難し身を守るといったことが重要であると考えます。
次に,学校や公民館等の主要施設の再点検及び移転についてでございますが,本市では建物の構造や耐震性等を考慮し,災害種別ごとに避難所を指定しております。また,より安全度の高い代替の施設等が同地区内に新たにできた場合には避難所の変更を検討してまいります。
最後に,救助におけるSNSの活用についてでございますが,ツイッターではハッシュタグをつけることにより検索する際に表示されやすくなる利点がございます。しかし,救助要請としての有効性について総務省消防庁は,ハッシュタグを用いたとしても他人からの伝聞やうわさなどの信頼性の低い投稿が大量にあり,緊急性が高いかどうかを確認することができないため活用が難しいとの見解を示しております。本市においても,SNSを用いた救助要請の有効性については同様の判断であり,そのため救助におけるSNSの活用は困難であると考えております。
続きまして,再生可能エネルギーの促進についてお答えします。
まず,再生可能エネルギー全体の今後の方向性についてですが,再生可能エネルギーとは,太陽光や風力,地熱,水力など地球温暖化の原因となる二酸化炭素を出さず,枯渇しない再生できるエネルギーのことでございます。今後の方向性につきましては,国のエネルギー政策の中・長期的方針である第5次エネルギー基本計画が本年7月に閣議決定され,火力発電,水力発電,原子力発電などさまざまなエネルギー源を組み合わせることが必要とされております。その中で,再生可能エネルギーにつきましては,2030年に向けてエネルギー源の構成として目標値である22から24%を達成し,2050年までには温室効果ガスを80%削減するという高い目標値に向けて再生可能エネルギーが主力となるよう目指しております。それらの実現のため,発電コストの低減や太陽光,風力発電などに比べ,自然条件に大きく左右されない地熱,水力,バイオマスといった安定したエネルギー源の確保などに取り組むこととしております。
次に,水素エネルギー活用の今後の方向性についてですが,水素は水など元素として地球上に多く存在し,さまざまな方法でつくることができる上,燃やすときや電気をつくるときも二酸化炭素を排出しないという特徴があります。そのため,地球温暖化防止に貢献できるエネルギーとして利用と普及が期待されているところでございます。
今後の水素エネルギーの活用につきましては,燃料電池自動車の実用化にとどまらず,再生可能エネルギーで得られた電力を利用して水素をつくり液体としてためることでエネルギーとしての長期間の保管や長距離の持ち運びが可能となるため,電力の貯蔵媒体として利活用するなど研究が進められております。本市としても,水素を利用した燃料電池自動車の普及を含めてこれらの動向を注視してまいります。
次に,水素エネルギーの活用に関する産官学連携による研究の検討についてでございますが,福井県において平成27年度に燃料電池自動車及び水素ステーションの普及に向けた情報交換会が開催され,平成29年度からは福井県水素ステーション整備可能性調査検討会が設置されております。本会は,産官学連携の検討会として県内外の大学から学識経験者,産業界からは自動車メーカー,ガソリンスタンド事業者,プラント設備事業者,金融機関,行政からは事務局の県のほか福井市,敦賀市が参加しております。これまでの検討会では,福井県内での水素ステーションの整備に向けた検討や,水に太陽光発電所等の余剰電力を通し電気分解させて水素を取り出し貯蔵する技術などについて意見交換等を行いました。今後も,国内外の最新の動向を踏まえつつ,水素エネルギーの活用について検討を行っていく予定でございます。
(総務部長 玉村公男君 登壇)
◎総務部長(玉村公男君) 婚活支援についてお答えします。
まず,婚活サービスについてでございますが,本市では若者の未婚化,晩婚化に歯どめをかけるため,結婚を希望する独身男女を対象とした講座や婚活イベントなどを実施し,男女の出会いの場の創出に取り組んできたところであります。しかし,婚活イベントではカップルになれない,カップルになっても交際に至らないなど,参加者の婚活力が不足していることや,カップルのその後の状況把握ができていないことが課題となっており,今年度からは課題への対応策として3つの取り組みを行ってまいります。
1つ目は,婚活講座,結婚を叶える未来デザイン講座を婚活イベントと同時に開催します。将来設計を通じた結婚への心構えや婚活スキル等を学ぶ講座を婚活イベントに組み合わせて実施することにより,参加者の結婚への意識や婚活イベントでの成功意欲を高めます。
2つ目は,婚活マニュアル「婚活のススメ」の活用であります。第一印象の高め方や交際方法,自身の将来設計ツールをコンパクトにまとめた婚活マニュアルを婚活イベント時に配布することで,交際経験のない人でも順調に交際に結びつくようサポートを行います。
3つ目は,昨年度に引き続き地域の縁結びさんを活用します。婚活イベント時の男女の交流促進やその後の状況把握と交際支援を行うとともに,希望者には結婚相談会を開催します。
この3つの取り組みにより,結婚への意識啓発と後押しを行うことで男女の出会いを着実に結婚へつなげるためのトータルサポートを行い,結婚を希望する方がその希望をかなえられるように支援していきたいと考えております。
次に,結婚相談所やネット婚活の新設についてですが,現在結婚相談所は県が福井県婦人福祉協議会に委託し,県内13市町で開設しております。福井市内では,福井県職員会館のほか福井市役所やアオッサを会場として地域密着型の相談員が出会いの場をサポートするなど結婚の支援を行っていることから,本市が新たに設置することは考えておりません。
また,ネット婚活については,インターネットやSNSの普及に伴い民間企業によるネット婚活サービスがふえてきており,最近では富山県のようにこのようなサービスに取り組んでいる自治体もあります。福井県でも婚活応援ポータルサイト,ふくい婚活カフェを開設しており,県域での婚活イベント情報や地域の縁結びさんの紹介などを掲載しております。ネット婚活の導入が出会いの創出に有効な手段の一つと考えられるわけですが,システム構築や運営のために多額の費用がかかることや,利用者の安全面も懸念されることから,現段階では導入を考えておりません。しかしながら,本市としては県の結婚相談所や地域の縁結びさん,ふくい結婚応援企業等の人的ネットワークを活用し,さらに先ほどの婚活講座を組み合わせた婚活イベントの実施や婚活マニュアルの活用,また地域の縁結びさんによるフォローや結婚相談会を実施することで結婚を望む人が着実に結婚できるように支援していきたいと考えております。
◆16番(中村綾菜君) 自席にて再質問させていただきます。
まず,保育施設について質問させていただきます。
先ほどほかの議員に対して,待機児童がゼロという答弁がありましたが,私が聞いているところ,昨年は17人ほど待機児童がいたのではないかと思うんですけれども,こちらについて質問します。
◎福祉保健部長(山田幾雄君) 昨年度の途中で一時的に7人の待機児童がおりましたが,年度当初については待機児童ゼロを維持しているところでございます。
◆16番(中村綾菜君) ですので,実際には待機児童はゼロではないのではないかと思っております。育児休業の期間を短くしたり,延長したりして対応されている方がいるということだと思いますし,企業が独自に企業の中に保育施設をつくっているから待機児童が少ないのではないかとも考えているんですが,いかがですか。
◎福祉保健部長(山田幾雄君) 先ほど副市長からも答弁させていただきましたように,福井市の子ども・子育て支援事業計画の中で基本的には保育園,認定こども園をベースに待機児童ゼロを維持しているところでございます。今議員がおっしゃるように別の施設,認可外の施設が間接的にそういう待機児童の受け入れを補完していると言えないこともありませんけれども,福井市としては認可施設としての保育園,認定こども園において待機児童ゼロの維持のための施設整備を優先的にしている状況でございます。
◆16番(中村綾菜君) そういったことも含めて今ニーズ調査もされているようでしたので,ぜひとも進めていっていただいて,企業内保育施設や認可外保育施設は非常にいい役割をしておりますので,ぜひとも支援や利用促進に取り組んでいただきたいと思っております。要望でございます。
続きまして,豪雨災害についてですけれども,福井市民の意識について,パネル展や映像上映,出張講座などで啓発していくということでしたが,私は防科研で言われた言葉が,非常にわかりやすくていい言葉だなと思いました。もう一度申し上げます。「福井は一度豪雨災害が起こった場所だから,必ずまた起こる」。この言葉を何か合い言葉のようにしてやっていっていただきたいと思います。こちらは要望させていただきます。
また,私は避難しますと言い切るキーパーソンをつくってはどうかと申し上げたところ,自主防災組織の方々に研修しているということでしたが,実際7月の西日本を中心とした豪雨で,福井市内の避難施設にこの自主防災関係の方がどのくらい避難されたのか,そういったところを調査しているのでしょうか,お聞きします。
◎市民生活部長(牧野浩君) さきの西日本を中心とした豪雨のときに自主防災組織の方がどれほど避難されたかの詳細につきましてはつかんでおりません。その辺についても,やはり本市としては自主防災組織を地域の防災活動のリーダーとして,リーダー研修会とか,出前講座などにおいて率先した避難や周囲の住民への避難の呼びかけなどが行えるよう育成しているところでございます。
◆16番(中村綾菜君) 先ほども申し上げましたが,避難するときに,私は逃げます,避難しますといったことを言って自主防災組織の方々には率先してキーパーソンになっていただけるよう研修していただくことも要望します。
また,地域住民の方がキーパーソンになるということも考えられると思うんです。別に自主防災組織の方だけではなく,土砂災害についてはその周辺に住んでいる方がキーパーソンになればいいと思いますので,そういった方々の育成もぜひともお願いしたいと思っております。
さらに,近くの安全な建物に逃げればいいのではないかという答弁もありましたが,具体的にショッピングセンターや映画館でもいいのではないかと,これは辻子先生がおっしゃっておりました。ですので,具体的にそうやって提案してあげるということも福井市民に意識啓発していただきたいと思っております。
また,ハッシュタグのことなんですが,私は少しこだわっており,ハッシュタグ検索というのは非常に便利で,今インスタグラム,ツイッター,フェイスブック,いろんなところで使われております。多分,ヤフー検索とかグーグル検索以上にハッシュタグ検索を使う若者がふえるし,今も実際にいると思います。これを活用しない手はないと思いますし,ぜひともしっかりと研究していただきたいと思いますので,よろしくお願いします。
また,再生可能エネルギーについて,何とかいろいろやっていくという答弁でしたが,全て民間任せになっている感じにも思います。福井市は太陽光発電の補助がなくなって今特に何も補助はしておりませんので,民間の方や市民の方に,何かやっていかなくてはいけないと私は思います。ぜひこういうところも研究して,何か一つでもやっていただきたいと思っております。よろしくお願いします。
水素に関してですが,国や県の動向を注視していくということでしたが,例えば福井市内では水素を扱う企業とかがあると思うので,市みずからがそこに出向いて,活用の方法や補助金,技術提携についてのニーズ調査をして,ぜひともいち早く研究していただきたいと思います。要望させていただきます。
2024年2月26日(月)
2024年2月26日(月)
2024年2月26日(月)
2024年2月26日(月)
2023年6月20日(火)