令和元年6月定例会
2019年9月3日(火)
◎市長(東村新一君) 私からは,ひきこもり対策と社会の理解促進についてお答えします。 国においては,平成21年度からひきこもり対策推進事業を創設し,都道府県にひきこもり地域支援センターを設置するなど,ひきこもり対策の充実に取り組んでおります。 また,平成30年度から,市町村における生活困窮者自立支援制度におきましても,訪問支援等の取り組みを含めた手厚い支援を行うことでひきこもり支援を充実させ,すき間のない支援をすることとしております。 本市では,障害を抱えていない,または生活に困窮されていないひきこもりの方へは,県のひきこもり地域支援センターやふくい若者サポートステーションと連携しながら支援することで,本人や家族へのサポートを行っております。 今後のひきこもり支援については,家庭訪問や家庭内の複数の問題解決など,その家庭と深くかかわりながら,時間と手間をかけて支援を行っていくことが重要であり,より充実した支援が行えるよう体制を整えていく必要があります。 そのための体制づくりや人材育成などは,今後取り組んでいかなければならない重要な課題だと考えております。 (福祉保健部長 山田幾雄君 登壇)◎福祉保健部長(山田幾雄君) ひきこもり対策と社会の理解促進についての御質問にお答えいたします。 まず,ひきこもりに理解のある企業や職場体験の受け入れ企業への働きかけなどについてですが,生活困窮者自立支援制度の中に,ニート,ひきこもり,長期離職や傷病など,すぐに働くことが難しい方を対象に,仕事の体験をしながら一般就労に向けた支援を行う就労訓練事業があります。 本市におきましては,こうした就労体験を行える事業所の認定事業を行っており,さまざまな福祉関係の事業所に協力依頼を行っているところでございます。 引きこもっていた方々が就労体験を行うことで規則正しい生活ができるようになり,また仕事や自分に対する自信を取り戻し,体験終了後には一般就労に向けた取り組みを行えるようになったなどの効果が見られております。 現在は,社会福祉法人など4事業所が登録されておりますが,今後は一般企業にも働きかけることで,ひきこもりの方々の選択肢がふえるよう取り組んでいく必要があると考えております。 次に,相談会の開催などひきこもりの理解促進に関する取り組みについてですが,本市におきましては,県のひきこもり地域支援センターにおける親の会,ひきこもり経験者による講演会への参加を働きかけたり,また県が作成した「ひきこもりの正しい理解と支援のために」のリーフレットを窓口に置くなど,県の取り組みを広く周知することで,ひきこもりに関する理解促進を図っているところです。 なお,本市としましても,自立サポートセンターよりそいのチラシの中で,働きたくても働けない人たちへの相談の呼びかけを行っており,まずは窓口や電話,メールにて気軽に相談していただけるよう周知を図っております。 次に,子どもの安全対策についてのうち,認定こども園等の散歩コースの安全対策,啓発についてお答えいたします。 これまでも公立園及び私立園につきましては,日ごろから園児の命を預かる立場として,市が作成したマニュアルに基づき,散歩コースの事前調査や隊列に応じた保育士の配置,安全な集団歩行の確認など,園児の安全確保には十分配慮してまいりました。 今回,大津市での事故後,すぐに公立園と私立園に対し,園外保育における散歩コースや信号待ちの場所,その他の危険箇所などにつきまして,いま一度,各園で危機意識を持って安全確認するよう注意喚起を行ったところです。 今後は,これまで園だけで行っていた危険箇所の点検を地域の関係団体,道路管理者,警察等関係機関の協力も得ながら地域ぐるみで実施し,公立園,私立園ともどもさらなる安全の確保に努めてまいります。 (教育部長 内田弥昭君 登壇)◎教育部長(内田弥昭君) 子どもの安全対策について,残りの御質問にお答えします。 小・中学校での通学路安全マップの再点検,危険な場所の再点検については,毎年,学校がPTA等と連携しながら行っております。その際,小学校での地区子ども会の集まりや中学校の生徒会活動の中で,子どもたちから危険箇所に関する情報を収集し,通学路安全マップの中にも取り入れており,その内容についても子どもたち全員に周知しております。 次に,子どもが集まる場所の安全点検についてですが,集団登校の集合場所の安全点検については,津田議員にお答えしたとおりでございます。 通学路以外につきましては,これまでも青少年育成福井市民会議の48支部において,自治会やPTA等と連携しながら小学校区ごとに安全点検を行っていただいております。 その際,危険箇所と判断した場合は地域による見守り強化や樹木剪定などの環境整備を行っていただくほか,自治会長と連名で関係機関に対し,改善の要望をしております。 次に,車進入防止ポールの設置についてですが,学校が毎年行っている通学路の安全点検に関しては,危険箇所の情報を福井市通学路安全推進会議で共有し,改善に向けた対策の協議を行っております。ポール設置等につきましても,道路管理者など関係機関に改善の要望をしてまいります。 次に,登下校時の見守り強化についてお答えいたします。 本県は,共働き家庭が多く,親世代が子どもの登下校を見守ることが困難な場合,祖父母世代が見守りの担い手になってきました。 本市においても,青少年育成福井市民会議の推進員が中心となり,「地域の子どもは地域で守り育てる」をスローガンに,ボランティアとして見守りを行っていただいておりますが,近年,定年延長や推進員の高齢化により担い手の確保が困難になってきております。このため,誰にでもできる活動として,平成29年度から夕方見守り運動を推進しております。 これは,自宅周辺の掃除,花の水やりなどの屋外作業や犬の散歩などを子どもへの声かけ事案等が発生しやすい夕方に合わせて行うもので,地域住民の方に対し,啓発チラシを配布して協力を呼びかけております。 なお,今回の殺傷事件後,見守り活動者をふやすため,新たなチラシ作成・配布を行ったことについては,津田議員にお答えしたとおりでございます。 次に,防犯カメラの増設と自治会が設置する際の補助についての質問は,福野議員並びに津田議員にお答えしたとおりでございます。 ドライブレコーダー取りつけの啓発・周知,購入補助についてですが,福野議員にもお答えしたとおり,ドライブレコーダーは犯罪の未然防止,発生抑止,事件等の解決にも有効であると考えており,今後,防犯対策の一環として警察と連携しながら検討してまいります。 次に,地域ごとの防犯訓練についてですが,青少年育成福井市民会議では,毎年,支部ごとに危険箇所の点検とあわせて,子ども110番の家の設置状況を確認しております。 今後は,子ども110番の家をより有効に活用するため,市民会議の各支部に対して,児童が不審者に遭遇したことを想定した訓練の実施を要請してまいります。 なお,既に一部の小学校では,教職員が新1年生と一緒に下校しながら子ども110番の家の設置場所を確認していますが,今後,全小学校で実施するよう要請してまいります。 (商工労働部長 北村真治君 登壇)◎商工労働部長(北村真治君) ひきこもり対策と社会の理解促進についてのうち,若者の相談会についてお答えします。 まず,若者のための就職相談会は,就労への意欲はあるものの,就職活動の進め方がわからない,どんな仕事が合うのかわからないといった不安や悩みを持つ若者を就職に導くために実施する相談会です。 相談は,中小企業雇用促進相談員と本市職員とで応じることとしておりますが,相談者の状況に応じて,働くことに悩みのある39歳までの若者への就職支援を行っているふくい若者サポートステーションと連携を図り,就労への不安や悩みなどの個別の事情に寄り添いながら対応してまいります。 次に,中高年層の相談会については,現在,国において就職や正社員化などによる職業的自立につながる働き方の実現のために,これまでおおむね40歳未満の若年無業者などの自立支援の拠点としておりました地域若者サポートステーションの対象年齢を50歳まで引き上げるための検討を行っております。 今後は,国の動向を注視しながら,ふくい若者サポートステーションとの連携を強化するとともに,引き続きハローワークと連携しながら相談会の実施などを含めた支援体制の構築を図ってまいります。 (選挙管理委員会事務局長 吉田修二君 登壇)◎選挙管理委員会事務局長(吉田修二君) 統一地方選挙の結果を踏まえた投票率向上への取り組みについてお答えします。 まず,商業施設等での期日前投票所の増設についてですが,現在,期日前投票所は公共施設7カ所,商業施設6カ所,大学2カ所の全体で15カ所を開設しております。これらは,地理的バランスを考慮した配置となっており,選挙人にとって投票しやすい環境になっているものと推測しております。このようなことから,当面は現在の体制を維持することとしております。 次に,共通投票所についてお答えします。 共通投票所を開設するに当たっては,共通投票所と選挙人の本来の投票所との間での二重投票を防止することが必要となります。 そこで,平成28年の参議院議員通常選挙で共通投票所を開設した函館市と青森県平川市の取り組みについて視察を行い,検討を進めてまいりました。 函館市では,共通投票所と本来の投票所間で電話により投票の有無を確認しており,青森県平川市では共通投票所と本来の投票所間をシステムで結んで確認するという方法でした。 本市で共通投票所を開設するとした場合,システム構築の費用面やシステム障害時の対応などを考慮すると,函館市方式の電話による確認方法が望ましいと考えております。しかしながら,この場合にも共通投票所の電話要員に相当数の人員配置が必要となる課題があります。このような課題があることから,現在,共通投票所を開設している自治体は全国でいまだ4自治体しかないという状況となっております。 また,共通投票所は投票日1日のみのことであるのに対して,期日前投票所は公示日の翌日から投票日前日までにわたるものであり,本市では15カ所の期日前投票所を開設して投票機会の確保に努めているため,当面は共通投票所は設置しないこととしております。 次に,移動投票所の開設及び送迎バスの運行についてお答えします。 他自治体において,投票所を統廃合した場合に,その移動支援策として移動投票所の開設や送迎バスを運行していることは承知しております。 本市においても,4月の統一地方選挙で有権者数が100人未満の6カ所の投票所を隣接投票所と統廃合しており,その移動支援としてタクシーで午前2回,午後3回の送迎を行っております。 なお,本市では現在,103カ所の投票所を設置しておりますが,これらは選挙人の家から投票所までの距離を考慮して決定しており,おおむね国が定める投票所までの距離は3キロメートル以内となっております。 次に,施設の玄関から投票会場までが遠い投票所の対応についてお答えします。 まず,社北小学校についてですが,地区内の社北公民館には広いスペースの部屋が階段で上る2階にしかなく,バリアフリーの面から投票所に適していないため,社北小学校を投票所としております。 また,体育館の入り口については,連絡道路が狭く,車1台しか通行できないことから,安全面を考慮して生徒玄関を入り口としております。 次に,他の地区についてですが,これまでも調査しており,麻生津小学校も施設の玄関から投票会場までが遠かったことから,投票所を公民館に変更しております。投票所につきましては,課題等があれば,随時,地元と協議しながら改善してまいります。 次に,投票所に入りやすい雰囲気づくりについてお答えします。 まず,若者の投票立会人の起用については,18歳選挙権の施行にあわせて検討しておりましたが,人員の確実な確保という課題があることから,引き続き検討をしております。また,投票所で音楽を流すことについては既に行っており,今後もより気軽に投票に来ていただける雰囲気づくりに取り組んでまいります。 次に,投票所の会場外でイベントを開催してはどうか,イベントを開催しているところに投票所をつくってはどうかということについてですが,投票所は投票区域の中で選挙人にとって利便性が高い場所,また,バリアフリーや駐車場の広さ,施設の設備面といった観点から決定しております。 これまでの実例として,投票所で祭りやスポーツ大会などのイベントがあった場合,駐車場の確保という課題等が発生しました。このような場合には,選挙人及びイベント側の双方から苦情を受けることが予想されることから,イベントの開催については望ましくないと考えております。 次に,公費負担についてお答えします。 公費負担は,お金のかからない選挙を実現するとともに,候補者間の選挙運動の機会均等を図る手段として,国または町村を除く地方公共団体が候補者の選挙運動費用を負担する制度でございます。その内容については,国政選挙は公職選挙法及び同法施行令で規定されており,市の選挙については公職選挙法に規定する内容を上限として条例で定めることとなっております。 本市の選挙運動用ビラの公費負担単価は,公職選挙法に規定する単価と同額としており,これ以上引き上げることはできません。また,公費負担制度のある県内6市の単価も本市と同じ単価となっております。 次に,公費負担の対象につきましても,公職選挙法で規定されており,現在,市が行う選挙では選挙運動用自動車に係る費用,選挙運動用ポスターと選挙運動用ビラの作成に係る費用,選挙運動用はがきの交付または郵便料に係る費用が公費負担の対象となっております。 選挙運動用はがきの印刷費用については国政選挙のみ公費負担の対象となっており,市が行う選挙では対象外となっております。 (都市戦略部長 國枝俊昭君 登壇)◎都市戦略部長(國枝俊昭君) 高齢者の交通事故防止対策についてお答えします。 まず,高齢者の歩行中の事故防止の取り組みについてですが,春,夏,秋,冬に実施しております交通安全運動におきまして,自動車のドライバーに対して歩行中の高齢者を見かけたときには十分な減速を行うことや高齢者の近くを通過する際には十分な間隔を保持することなどを呼びかけ,高齢者や子どもを交通事故から守る交通安全普及啓発事業に取り組んでおります。また,高齢者や子どもなどを対象に実施している交通安全教室では,反射材の無料配布を行っており,夜間外出時の着用を呼びかけております。 次に,免許返納者数をふやすための公共交通機関の充実についてですが,市内を運行するバスや鉄道などの公共交通機関は,免許を返納された高齢者だけでなく,運転免許を保有していない市民の方々の通勤通学や買い物,通院など,日常生活にとって欠くことのできない移動手段でございます。 そのため,まずはバスの運行ルートやダイヤについて利用者の方々に知ってもらい,乗って残す運動としてバス利用を呼びかけ,運行維持に取り組む必要があると考えております。 次に,免許返納者に対する公共交通利用等への支援の充実につきましては,先日,田中議員にお答えしたとおりでございます。 (財政部長 村田雅俊君 登壇)◎財政部長(村田雅俊君) 公共施設の再編についてお答えします。 まず,市民の方々に対する情報発信や説明についてですが,昨日,藤田議員にお答えしたとおり,昨年11月に市民アンケートを実施し,施設マネジメントアクションプラン策定の必要性や数値目標の妥当性などについてお聞きするとともに,財政再建計画に掲げる27施設の優先度についてお伺いしました。 全体として賛成の意見が多く,その結果等を踏まえて,財政負担の大きい施設や有効活用が期待される施設など,財政効果の高い施設を優先して実施することといたしました。 また,自由意見の中で,施設について知らないことが多いという意見があったことから,各施設の築年数や利用者数,財政負担などについても福井市施設マネジメントアクションプラン第1期(素案)の中に明示いたしました。 利用者アンケートでは,代替施設の有無についての設問に対し,どのような施設があるのかわからないという意見が多数あったことから,類似施設の具体的な名称等についても記載いたしました。 今後は,この素案をもとに,今月実施するパブリックコメントにより市民の皆様から御意見を募集するとともに,来月の中旬ごろからは地域ブロック単位で市民説明会を開催し,福井市施設マネジメントアクションプランの必要性や策定の経緯,内容等について丁寧な説明を行ってまいります。 また,個別施設ごとの説明については,パブリックコメントや市民説明会での意見等を踏まえ,必要に応じて施設の所管課と連携して行ってまいります。◆16番(中村綾菜君) ひきこもりの方への支援,対策に関しましては,非常によい答弁をいただきまして,どうもありがとうございました。 引き続き,本市の支援のはざまにいる方々をしっかりと支援していただきたいと思います。今は県と連携して行っているとのことでしたが,例えば窓口はどこかということもありますし,さまざまな支援がありますので,コーディネーターを1人配置し,しっかりと継続的に支援していただきたいと要望させていただきます。 それでは,再質問させていただきます。 まず,高齢者の交通事故防止対策についてお伺いします。 免許返納後のことについては,今定例会でさまざまな議論がなされておりまして,他の議員の質問に対しては,公共交通の充実に関してしっかりと見直していくという答弁もあったかと思いますが,その辺をお聞かせ願います。◎都市戦略部長(國枝俊昭君) 免許を返納しても生活しやすい環境が望ましいと考えておりますので,公共交通空白地域と呼ばれる地域がどのようなところにあるのか,また,今後,公共交通の密度といいますか,最寄りのバス停までの距離はどのくらいかなどを検証し,福祉施策との関連や地域拠点等の要因も考慮しながら,利便性を確保できるような施策について検討してまいりたいということです。◆16番(中村綾菜君) 高齢者だけではなく,交通弱者のためになる総合的な公共交通ネットワークをつくっていくという答弁もあったかと思いますが,いつまでにどのようなことをしていくのかお聞かせ願います。 例えば,市民や公共交通空白地域の方々にアンケート調査をしたり,計画をつくっていくなど,そういったことがあればお聞かせ願います。2024年2月26日(月)
2024年2月26日(月)
2024年2月26日(月)
2024年2月26日(月)
2023年6月20日(火)