令和3年12月定例会
2021年12月9日(木)
令和 3年12月定例会
◆16番(中村綾菜君) おはようございます。無所属の中村綾菜です。通告に従いまして一般質問を行っていきます。よろしくお願いいたします。
朝一番ですので,明るく前向きに未来についての質問から先にさせていただこうと思います。よろしくお願いいたします。
まずは,本市の各種計画とSDGsとの関係性について質問させていただきます。よろしくお願いいたします。
来年度改定される各種計画には,SDGsの視点を取り入れる,誰一人取り残さないといったSDGsとの関係性が書かれているものも出てきました。
では,なぜSDGsが本市に必要なのか,SDGsは本市にどのような可能性をもたらすのか,SDGsは市民の生活にどう影響を及ぼすのか,本市のお考えをお聞きいたします。
私は,SDGsを世界の未来を変える17の目標と捉えておりまして,この可能性を高く感じ,これをより多くの方に届けたいと,様々な資格を取得したり,SDGsのファシリテーターとして企業や団体,学校などで講演したり,授業を行ったりさせていただいております。
そこで感じることは,SDGsを取り入れないと取り残される危険性があるということです。
SDGsを導入した企業はこぞって売上げを伸ばし,組織改革に成功し,よりよい人材の確保に成功しております。子どもたちは,教科書や課外活動などでSDGsを学び実践しています。子どもたちにとっては自分たちの未来に直結することでありますので,子どもたちのほうが大人よりもよっぽどよく知っている,そして危機感を持って取り組んでいると感じております。
この子たちが大人になると世の中はどう変わるのか,すごく楽しみであるのと同時に,このSDGsをしっかりと導入しなかった企業は取り残される,選んでもらえないというような事態に陥るのではないかと危機感も感じております。自治体も同じだと思います。若者が減る,そして人口の流出が加速するということが予測されます。
では,SDGsをしっかりと導入するとはどういうことかと申しますと,SDGsには1.0から4.0まであると言われております。1.0は,まず既存の事業にSDGsを取り入れること,当てはめてみること,そして2.0は改善していくこと,3.0は新しい事業につくり替えていくこと,4.0は同時多発的な取組になるように仕組み化することというように言われております。
この視点から本市の各種計画を見てみますと,SDGsの目標を各種事業に当てはめているだけなのではないかなと感じます。つまりはSDGs1.0の取組であるというように感じております。
では,どのようにSDGs1.0から4.0へステップアップさせるのか。SDGsには3つの視点があると言われております。この視点を取り入れることが大事と思います。
まず1点目は,バックキャストの視点です。
SDGs自体もバックキャスティングで考えられております。2030年の世界はこうなっているんだと決めたのがSDGsでありまして,ではどうやってやるのかということが今問われております。一つ一つ積み上げるやり方でやっていると,SDGsの目標やターゲットを見て,そんなの無理でしょうなどと言われるのも仕方ありません。それはそもそもの視点が違うからです。この考え方を共有していかないと取組は進みません。
さて,本市の各種計画では,SDGsが掲げる2030年の世界や数値目標,特にターゲットをこれと決めた上で各種事業をつくっていますでしょうか。各種計画には数値目標が書かれておりますが,SDGsのターゲットを捉えて数値目標を積算していますでしょうか,お聞きいたします。
2点目は,物事の本質を捉えること,そして包括的なアプローチをすることが大事ということです。
以前,議会でも申し上げたかもしれませんが,皆さんは風が吹けばおけ屋がもうかるという言葉を御存じでしょうか。思わぬところに物事の影響が出るからこそ,物事の全体像を捉えることが大事という意味のことわざです。
では,スナック菓子が地球温暖化という言葉を御存じでしょうか。安いスナック菓子を私たちが求める。すると企業は安いパーム油を求める。そしてより効率的に安いパーム油を作るために大きなヤシ農園を造る。大きなヤシ農園を造るためには森林伐採を行う。そのことにより地球温暖化に影響が出る。効率的に森林伐採を行うためには森を焼く。すると生物多様性にも影響するということです。さらに,そこでは安い賃金で働かされる方や子どもたちが多くいるかもしれませんし,それが紛争や汚職につながっているという可能性もあります。このように経済活動が環境にも社会にも大きく影響するということです。
日本でも同じことがあります。人口減,若者減が地方衰退。インフラ減により民間圧迫。公共交通減により生活弱者と貧困層が生活難。貧困と経済低迷が財政圧迫。財政が圧迫されるとごみが町にあふれる,治安が悪くなるなど,社会問題が経済や環境にも大きく影響しています。コロナの感染拡大でも私たちはこのことを実感させられました。環境が大きくダメージを受けると,社会も経済も大きく影響を受けるということが分かりました。だからこそ物事の本質を捉えることが大事,包括的なアプローチが必要不可欠ということです。この包括的なアプローチの役割を担うのが行政です。
さて,本市の各種計画においては,総合計画がまさしくこの役割を担っており,大きな方向性を示し各事業をどのように推進するかが書かれております。
そこで,質問です。
本市は,経済,社会,環境をめぐる広範囲な課題についてどのように解決するのか。包括的なアプローチをどのように行っていくのかについてお聞きいたします。
最後に,3点目の視点です。SDGs3点目の視点が,誰一人取り残さない,取り残されないという視点です。この言葉が簡単に使われているように私は思いますが,これが一番難しいです。これまでと同じような取組では全く解決できない課題が山積しているからこそ,一つ上の視点からトレードオフに注目し,イノベーションを起こし,パートナーシップでどう解決するかということが問われております。
しかし,各種計画の推進方法を見ますと,行政主体で推進するという方法のみが書かれているように思います。住民や外部の方々も巻き込んで,本市が一体となり推進するためにはどうしたらよいとお考えでしょうか,お聞きいたします。
続きまして,高齢者支援と成年後見制度についてお伺いします。
長引くコロナ禍の影響で,地域活動や近所との交流が減り,閉じ籠もりがちになっている方も多いのではないかと思います。精神的につらくなっている方や不安な気持ちで毎日を過ごしている方も多いのではないかと思います。まだまだ油断はできない状況ですが,コロナが少し落ち着いた今だからこそできることは何かについて質問いたします。
まずは,高齢者のフレイル予防についてお伺いします。
フレイルとは,加齢により心身の活力,筋力,認知機能,社会とのつながりが徐々に低下した状態を表した言葉です。多くの人が健康な状態からこのフレイルを経て要介護の状態に陥ると考えられています。フレイルは75歳から急に増え,筋力が低下したり,外出しなくなったり,食欲が落ちたりすることなどで進行するとも言われており,一人で過ごす日が増えて気分が沈みがちになることも要因と考えられています。
初めは聞き慣れなかった言葉でしたが,最近地域でも耳にするようになって定着してきたように思います。
フレイル予防には,栄養をしっかり取ること,運動を行うこと,社会活動へ参加すること,これらをバランスよく行うことが効果的とされています。本市としては,フレイル予防と啓発についてどのように取り組まれているのか,お聞きいたします。
また,フレイルサポーターの養成についてはどのように行っているのでしょうか。現在どのくらいの方が登録されているのでしょうか。
福井県は,全国で唯一県内全17市町でフレイル予防事業を展開しており,全国的にもかなり高い割合と聞いています。フレイルサポーターのさらなる増員に向けて,本市としてどのように取り組まれていくのか,お聞きいたします。
フレイルチェックについてはどのように行われているのでしょうか。
定期的にチェックすることが大事だと聞いておりますが,自宅でチェックできるようフレイルチェックシートなどは配布しているのでしょうか。
自治会型デイホームやよろず茶屋において,保健師やフレイルサポーターが定期的にチェックする仕組みはあるのでしょうか,お聞きいたします。
いきいき長寿よろず茶屋についてもお聞きいたします。
自治会型デイホームとともに地域の介護予防を担っていただいております,いきいき長寿よろず茶屋事業については,近年増加傾向にありますし,今後も増やしていきたいというのが本市の方針ですが,今後の在り方についてお聞きしたいと思います。
なぜかと申しますと,よろず茶屋は事業開始以来,仕組みがほとんど変わっていないからです。これまでと同じような仕組みでよいのか,さらなる拡大ができるのか。いま一度検討してはと思います。
以下,課題を提起いたします。
まずは運営について。運営費に対する補助は,1週間当たりの開催日数掛ける4万円,上限は年間20万円となっております。毎週よろず茶屋を開催し,年間89日開催したとしても4万円しかもらえません。1回当たり449円で,私は少ないように感じております。さらに,毎週行わないといけないというのはなかなかハードルが高いように感じないでしょうか。
越前市の介護予防に一役買っております「いきいきふれあいのつどい」事業は,つどい活動を年12回以上開催,計画していれば運営費に対して交付金がもらえることとなっており,年24回以上開催すると運営費に対する交付金が加算されるという仕組みです。また,年6回以上子どもと一緒に活動すると,さらに加算されるそうです。
本市のよろず茶屋で行う事業の内容については,比較的自由に活動できることがメリットであるという感じはしますが,充実した内容にすると費用がかさみ運営を圧迫することにつながります。例えば外部講師などをお呼びしてセミナーや健康体操などを行いたくても,講師料は最低5,000円ほどかかりますので,なかなか毎週,毎月お呼びすることができません。参加者から参加料を多めに取りたいところですが,毎回100円とか安値で行っているところが多くあり,それが定着しているところはなかなか多めには徴収できないというのが現状です。
また,よろず茶屋は運営する側の負担が大きいのも現状で,現在は地域のためにと熱心に取り組まれている方々の善意で成り立っておりますが,持続可能とは考え難いです。少しでも報償費を差し上げていただきたいのですが,いかがでしょうか。
次に,活動場所について。運営委員会の役割に活動場所の確保との文言がありますが,どこか一つの場所に限定する必要はどれぐらいあるのでしょうか。
例えば地域のサークル活動のように趣味で地域の高齢者がつながるということもあります。この場合は,場所は公民館や集会所,体育館など空いている場所があればどこでも活動できると思います。これは,よろず茶屋の全体的な在り方にも関係してきます。今は地域コミュニティーの拠点として,何でも好きに使える場所としてよろず茶屋を設置していると思いますが,高齢者の趣味も多様であり,元気な高齢者も多く,時代に対応したよろず茶屋に変革していくことも必要と思います。
以下,質問です。
よろず茶屋の今後の在り方についてどのようにお考えでしょうか。
今後どのようによろず茶屋を増やしていこうとお考えでしょうか。現在は地域に1つという考え方ですが,自治会に1つという方向性もあるのでしょうか。地域のコミュニティー(趣味など)に1つという考え方もあるのでしょうか。
開催日数の在り方についてどのようにお考えでしょうか。
運営費補助の加算についてどのようにお考えでしょうか。よりよい内容にするために,補助額の増額についてどのようにお考えでしょうか。
運営委員への謝礼支払いについてどのようにお考えでしょうか。
活動場所の在り方についてどのようにお考えでしょうか。
子どもから高齢者まで障害のあるなしにかかわらず集える,地域の集いの場としての活用についてどのようにお考えでしょうか,お聞きいたします。
屋内施設の充実についてもお伺いします。
これから冬本番になり天候の悪い日が続くわけですが,これまで屋外でスポーツを楽しんでいた高齢者にとっては少し不便な時期がやってきます。市内には,屋内でスポーツができる施設として体育館が数か所にありますが,すかっとランド九頭竜のすこやかドームのように室内で屋外スポーツができる施設はあまりありません。特にマレットゴルフ,テニスを行う場所がないとの要望をいただいております。福井は年間を通して雨が多いです。ぜひ検討していただきたいのですが,屋内施設の充実について見解をお伺いします。
成年後見制度の充実について。認知症高齢者も年々増加することが予想されておりますので,成年後見制度の周知と利用促進は不可欠です。本市として今後どのような取組をしていくのでしょうか。
国が各自治体につくるよう指示している成年後見制度利用促進基本計画の策定についてはどのようにお考えでしょうか。
坂井市は,県内の他市町に先駆けて令和2年に成年後見の中核機関を市役所内に設置しましたが,設置前と比べて制度の利用状況はどのように変わりましたか。
高齢者の権利擁護の状況などについてはどのように捉えていますでしょうか。それを踏まえて,本市での中核機関の設置についてはどのようにお考えでしょうか。
成年後見制度の利用が進んでいない背景には様々な課題がありますが,解決には外部の協力が必須です。そこで,弁護士や司法書士,社会福祉士だけではなく行政書士や税理士,社会保険労務士などの他の士業や専門家の活用まで考え,取組を進めていただきたいのですが,お考えをお聞きいたします。
次に,子育て支援と子どものマスク着用についてお伺いします。
先日,国際フェスティバル内で行われました多文化交流子育て広場に参加してまいりました。そこにはベトナムなど海外から福井に来て福井で御出産され,赤ちゃんをだっこしたお母さんたちが10人ほどいらっしゃいました。そのお母さんたちから,慣れない土地で,さらにはコロナ禍での出産がどれだけ大変だったか,そして子育てがどれだけ大変かということについて,少しお話をお聞きすることができました。
その中で,子育て支援センターのことをお話しされていた方がおり,とても助かっているというようなことをお聞きして,とてもうれしく思いました。私の周りのお母さんたちからも子育て支援センターを活用しているという声をよくお聞きします。地域の拠点として,子育ての拠点としてしっかりと機能しているように思います。
しかし,福井市北部の九頭竜ブロック(河合,森田,西藤島,明新,中藤島)にはいまだに子育て支援センターがありません。お母さんたちから何度か要望をいただいております。福井市北部の九頭竜ブロックにおける子育て支援センターの設置について御見解をお聞きいたします。
次に,すみずみ子育てサポート事業についてですが,1時間当たりの利用料金に対して700円を上限に補助される制度で,一時預かり,送迎,家事援助を対象として助けていただけるとてもいい事業です。現在6事業者,10事業所の登録がございますが,今後対象事業所を増やすことは考えているのでしょうか。公募する予定はありますでしょうか
なぜこのようなことを聞くのかといいますと,市内には子育てを支援する様々な事業があり,すみずみ子育てサポート事業への登録を望んでいるからです。より多くの事業所に参加していただくと利用者も選べる枠が広がり,より隅々まで行き渡った支援となると思います。見解をお聞きいたします。
次に,子どものマスク着用について。9月定例会でも同じ質問をさせていただきました。感染拡大状況を鑑みながら,マスク着用に関しては柔軟に対応してほしいと要望させていただいておりますが,ここ最近の感染状況を鑑みてどのようにお考えでしょうか。
小学校2年生,中学校2年生,高校2年生の子どもたちは,入学したときからマスクを着用するように言われていたため,友達の顔,口元をちゃんと見たことがありません。このような状況でどのようにコミュニケーションを取っているのか,とても心配になります。マスク着用が長引き,もうすぐ2年がたとうとしております。前回も申しましたが,子どもたちはマスクを外せと言われるまでマスクを外そうとしません。大人のように息がつらくなってきたからといって少しの間外すということはなかなかしません。本当にこれまでと同じように常時マスク着用を言い続けるのでしょうか。健康被害が本当に心配です。何か工夫はできませんでしょうか。本市の見解をお伺いします。
最後に,性的マイノリティーへの理解促進についてお伺いします。
人口減少,少子・高齢社会が進行する中,性別や年齢などにとらわれることなく一人一人がそれぞれの個性や能力を発揮しながら活躍できる社会づくりが求められております。このことを踏まえ,今回の定例会に提出された第八次福井市総合計画(案)においては,政策5として「誰もが尊重され,それぞれの個性や能力を発揮しながら,活躍できるまちをつくる」と記されたものと推察いたします。誰もが尊重される社会であるためには,弱者や少数者への温かい心配りが必要であり,大切です。例えば,性的マイノリティーの方々の中には,役所に提出する申請書等に性別欄の記載があることに苦痛を感じる方も多いと聞いております。申請書等における性別欄の記載に関して,本市の現状と類似都市の状況,また今後の本市の対応についてお伺いします。
性的マイノリティーの方々が置かれている状況を知り理解しようとすることは,非常に大切なことだと思っております。差別や偏見にとらわれずあらゆる人たちが等しく幸せを求められるような社会をみんなで考えていくことが大事です。本市においては,今後,性的マイノリティーの方々に対する市民の理解促進のため,どのように取り組んでいこうとお考えでしょうか,お伺いします。
読み上げによる質問は以上です。ありがとうございます。
(市長 東村新一君 登壇)
◎市長(東村新一君) 私からは,性的マイノリティーへの理解促進についての御質問のうち,まず申請書等における性別欄の記載に関して本市の現状,類似都市の状況及び今後の対応についてお答えいたします。
体と心の性が一致しない性的マイノリティーの方々の中には,心の性と異なる性を記載することに精神的苦痛を感じる方も存在すると考えられます。このようなことを考慮し,本市においてはこれまで選挙における投票所の入場券について男女別から数字表記に変更するなど,記載方法の見直しを行いました。また,国の通知を踏まえ,印鑑登録証明書や住民票の記載事項証明書に関して性別の記載を要しないこととしてまいりました。
本市といたしましても,来年度から性別などにかかわらず誰もが活躍できる社会づくりを進める観点から,申請書等における性別記載の全面的な見直しが図られるよう取り組んでまいります。なお,中核市においては,77%が申請書等における性別記載の見直し及び検討に取り組んでおります。また,県内におきましては,福井県,越前市及び鯖江市において同様な取組を進めております。
次に,今後の本市における性的マイノリティーの方々に対する市民の理解促進の取組についてお答えします。
性的マイノリティーを含む人権の擁護のためには,市民一人一人が人権に対する意識を高めることによりお互いに尊重し合い理解し合える地域社会を築いていくことが必要です。
本市では,これまで福井市人権教育・啓発方針に基づき講演会や研修会,街頭啓発などによりまして人権教育・啓発に取り組んでまいりました。人権について学び理解を深めることで,人権の担い手としての当事者意識が芽生え,周囲に対して人権意識の輪を広げていくことができるものと考えております。
現在策定を進めております福井市第6次男女共同参画基本計画では,多様な性について理解し偏見や差別をなくしていくため,講座の開催など正しい知識の普及や多様な性を尊重する意識の醸成を図る取組を盛り込んでまいる予定です。
様々な価値観や多様性を認め合える意識づくりのため,今後さらなる啓発や教育の充実等に取り組み,性別や年齢等にとらわれず,誰もが尊重され地域社会で安心して暮らすことのできるまちづくりを進めてまいります。
(福祉保健部長 齊藤正直君 登壇)
◎福祉保健部長(齊藤正直君) 高齢者支援と成年後見制度についてお答えします。
まず,フレイル予防と啓発に関する取組です。
本市では,毎年福井市元気度調査票を各世帯に配布し,筋力の低下や栄養状態,口腔機能等について自己チェックを促し,自主的なフレイル予防の取組につなげています。また,自治会型デイホームやよろず茶屋においても,参加者に元気度調査票を用いた自己チェックを行っています。あわせて,自宅でできる体操の紹介や低栄養予防のための食事,口腔機能を維持するための口腔体操やセルフケア等についての啓発を行っています。
次に,フレイルサポーターの養成についてです。
本市では,令和元年度よりフレイルサポーター養成講座を開催してサポーターの養成に取り組んでおり,サポーターの登録数は10月末現在で39人となっています。養成講座については,市政広報で広く市民の方の参加を呼びかけており,今年度も19人が受講されました。また,既にサポーターになっている方に対しても,活動に結びつくよう練習会を開催するなど支援を行っています。
今後も引き続き,フレイルサポーターを増やす取組を進めてまいります。
次に,フレイルチェックの実施内容についてですが,フレイルチェックでは手足の筋肉量,握力,口腔機能,ふくらはぎ周り等の計測に加え,口腔,栄養,社会参加に関する40項目の問診,結果説明等を行っています。今年度は,市健康管理センター等で2回実施し,29人の参加がありました。今年度末までにさらに3回の開催を予定しています。
また,地域の介護予防教室では,保健師等が自宅でも簡易チェックができるシート等を活用し,フレイル状態の把握と予防の啓発に取り組んでいます。今後,自治会型デイホーム等で定期的なフレイルチェックを実施したいと考えております。
次に,よろず茶屋の今後の在り方及び実施箇所を増やす方策についてお答えします。
よろず茶屋は,高齢者が気軽に集い,趣味活動を通じた交流及び介護予防を行う地域の拠点として設置しているものです。現在,市内30地区に41のよろず茶屋が設置されていますが,残り19地区には設置されていない状況です。そのため,まずは全地区での設置を目指し,未設置地区を中心に事業説明を行い,同時に事業運営に関心のある人を把握するなど,設置に向けた支援を行ってまいります。
なお,地域の拠点として位置づけているため,自治会ごとや一つの趣味ごとでの設置は想定しておりません。
次に,よろず茶屋の開催日数ですが,介護予防に加えて生きがいづくりを促進するための活動機会を確保したいという狙いから,開催日数については原則週1日以上としています。ただし,開催日数の上限は設けておらず,各運営委員会において実情に合わせた判断をお願いしています。
次に,運営費等の経費についてですが,よろず茶屋は地域住民によって結成された運営委員会が活動内容や活動場所を各自で決定し,運営を主体的に行うものであり,市は運営委員会に対して運営に係る各種経費を補助しています。運営費は,1週間当たりの開催日数によって年間20万円まで加算される仕組みとし,運営費とは別に活動時の保険料や会場使用料も補助しています。そのため,運営に必要な支援はできているものと考えており,新たな加算や運営委員への謝礼は考えておりません。
次に,よろず茶屋の活動場所についてですが,地域の高齢者の誰もが継続的に参加できる拠点としては,決まった場所,曜日,時間に交流できる場であることが重要です。ただし,活動内容によっては決まった拠点で実施することが難しい場合もあるため,通常の拠点に加え市内の体育館や公園,公共施設等を活動場所とする場合もあります。
なお,子どもから高齢者まで,障害のあるなしにかかわらず集える場としての活用については,既に児童クラブや子ども食堂等との交流を行っているよろず茶屋もございます。可能であれば,子どもや障害者等も含め多様な交流を進めていただきたいと考えております。
次に,成年後見制度利用促進基本計画の策定についてお答えします。
基本計画については,国の成年後見制度利用促進基本計画を勘案して市町村において策定に努めるとされています。本市においては,ふくい嶺北連携中枢都市圏ビジョンに利用促進体制整備を位置づけ,嶺北市町及び関係団体と共に策定を進めており,現在最終の詰めの段階となっているところです。
次に,坂井市の状況と本市での中核機関の設置についてお答えします。
既に中核機関を設置した坂井市では,成年後見制度に関する相談件数が基礎的な知識に関する内容も含め増加したと聞いております。このことは,市民への成年後見制度の周知が進み,気軽に相談できるようになった結果であり,中核機関を設置した効果が現れてきているものと考えています。
本市においても,来年度の中核機関の設置に向けて準備を進めておりますが,設置により制度の利用促進につながるものと考えています。
次に,専門職の活用の取組についてですが,計画を策定するため設置した成年後見制度利用促進体制整備連携協議会には福井県医師会や福井県介護支援専門員協会,障害福祉サービス事業者等の関係団体の代表者に参加していただいており,御意見をお聞きしています。
今後,制度の利用を促進していくには,弁護士や司法書士,社会福祉士だけでなく行政書士やその他様々な専門職の協力が必要となりますので,各団体と連携の強化を図ってまいります。
次に,子育て支援と子どものマスク着用についてのうち,子育て支援についてお答えします。
まず,市北部の九頭竜ブロックにおける子育て支援センターについてです。現在,九頭竜ブロックには常設の施設はありませんが,森田公民館に子育て支援センターの職員が出向いて事業を実施する出張ひろばを月6回から8回開催しています。そのほか,認定こども園や保育園において在園していない親子でも自由に園に遊びに行ける日を設けるなど,地域での子育て支援事業も行っております。
しかし,森田地区は子育て世帯が増加しており,子育て支援センターの設置を求める声も聞いています。これらのことから,九頭竜ブロックにおける未就園児の子育て相談支援の充実について検討してまいります。
次に,すみずみ子育てサポート事業についてです。
現在の対象事業所は,一時預かりが8か所,家事支援が2か所あり,昨年度は延べ約1万4,500人が利用しています。
なお,ここ数年で事業者の廃業により一時預かりが10か所から8か所に,家事支援が4か所から2か所に減少していますが,一方で,一時預かり,家事支援ともに夕方から夜間のニーズが高まっています。こうした現状を踏まえ,保護者の多様化するニーズに応えるため,公募にて事業所を増やすことを検討しているところでございます。
(教育部長 林俊宏君 登壇)
◎教育部長(林俊宏君) 子育て支援と子どものマスク着用についての御質問のうち,子どものマスク着用につきましては,一昨日福野議員にお答えしたとおりでございます。
次に,高齢者支援と成年後見制度についての御質問のうち,屋内施設の充実についてお答えいたします。
雨天時や冬期間に屋外スポーツを行うことができる場所としまして,体育館や屋内運動場を利用していただいております。
具体的に申し上げますと,マレットゴルフにつきましては,屋外と同様のコースを屋内に設置することはなかなか困難であるため,屋内用の道具を準備していただいた上で中藤屋内運動場,きららパークふれあいドーム,美山アンデパンダン広場アイアイドームの人工芝の施設のほか,全ての体育館で行っていただくことが可能となっております。
また,テニスにつきましても,今ほど挙げた施設で行うことができ,実際に多くの方に利用いただいております。
屋内スポーツ施設といたしましては,体育館が7館,屋内運動場がすこやかドームも含めて4施設あり,高齢者が主に利用される平日の日中は十分に空きがございますので,これらを有効に利用していただきたいと考えております。
(総務部長 塚谷朋美君 登壇)
◎総務部長(塚谷朋美君) 本市の各種計画とSDGsとの関係性についてお答えいたします。
まず,SDGsに関する本市の考えについてお答えいたします。
本市におきましては,SDGsに掲げられた17の目標と市政運営において目指すべき大きな方向性は同じであると捉えております。市民の豊かな暮らしや持続可能な明るい未来づくりのためには,SDGsの理念をしっかりと踏まえた取組が必要であるとの思いから,本市では当初予算案資料や部局マネジメント方針,総合計画をはじめとする各種計画におきまして各施策とSDGsの目標との関連性を整理してお示しし,市民の皆様への理解促進に努めているところでございます。
次に,SDGsと数値目標についてお答えいたします。
本市におきましては,各種計画とSDGsの目標との関係を明確にし,計画内に定めた数値目標の達成状況がそのまま本市におけるSDGsの達成度合いを示すものと考えております。そのため,目指すべき将来像をしっかりと見据え,各種計画の立案及び数値目標の設定を行っております。
次に,包括的なアプローチをどのように行っていくのかについてお答えいたします。
第八次福井市総合計画(案)では,資料2として本市が進めていく各種施策とSDGsの関係が分かるように17の各ゴールと,経済,社会,環境など53の施策とをひもづけた対応表を示しております。このように広範囲な課題に対し第八次総合計画に掲げる各種施策をしっかりと進めていくことにより,本市の将来にわたる持続可能な発展とSDGsの達成につなげてまいります。
次に,本市が一体となったSDGsの推進についてお答えいたします。
SDGsをしっかりと推進していくためには,市民の方々の御理解と御協力が必要不可欠となります。そのため,本市では啓発事業として出前講座を実施しており,今年度既に5件の申込みをいただき,8月から11月中に開催いたしました。また,次世代を担う若者への啓発といたしましては,7月に高校生を対象としてSDGsカードゲームの講座を開催したところ,定員を超えるお申込みをいただきました。
小・中学生を対象にしたものとしては,小・中学校で実施するキャリア教育プログラムの中に,今年度より新たにSDGsに関するプログラムを追加し,既に5校で実施しております。そのほか,誰もが気軽にSDGsについて学び考えるきっかけとなるよう福井市オリジナルのSDGsすごろくを作成し,出前講座や各イベントで使用するほか,ホームページにも掲載いたしました。
今後も市民の方々にSDGsを理解していただき,各自が自分事として取組を進めていただけるようホームページの充実や講習会の開催など周知と啓発に取り組み,本市一丸となったSDGsの推進を図ってまいります。
(16番 中村綾菜君 登壇)
◆16番(中村綾菜君) とても前向きな答弁をたくさんいただきましてありがとうございます。
性的マイノリティーの方への理解促進については市長からも答弁いただき,これまで以上にすごく進んでいく感じがいたしました。ぜひ人権教育も含めて進めていただくよう要望させていただきます。
本当に困っている方々がたくさんいらっしゃるなと思います。私たちが知らないということが本当に大きな障害になっているなと感じております。また,カミングアウトすることで命の危険にさらされることもあるようです。特に男性の方は,自殺率が高くなるということもあって,行政として自治体が受入れ体制を広げていく,配慮していくということがどれだけ大事なことかということを最近いろんな方の話を聞いて感じておりますので,各部署にわたって引き続き御理解いただき,促進していただきますよう要望させていただきたいと思います。
よろず茶屋について以外はどれも前向きな答弁で,再質問しないでおこうかなと思ったんですけれども,子どものマスク着用について1つ質問させてください。
福野議員の質問に対する答弁において,十分な身体的距離が確保できる場合,健康被害の危険があるときはマスクを外してよいと学校に指示していると聞いております。これまでは多分体育とか登下校時がそうだったと思うんですが,感染状況が落ち着いた今,それ以外に何か広げられる余地,何か工夫できるところがあると考えているのでしたら,ぜひ教えていただきたいと思いますが,いかがでしょうか。
◎教育長(吉川雄二君) 確かに今感染が落ち着いているという状況です。各学校には,マスク着用については基本的にガイドラインを守るようお願いはしておりますが,御承知のように,体育の時間,給食の時間は基本的にマスクを外しています。それから,先日校長先生たちと話をしましたところ,子どもたちも息苦しくなったりするときがどうしてもあるので,マスクの下端を持ち上げて,授業中などでも唾が飛ばないような形で息をすると大分楽になるということでしたので,これを学校でも認めているといいますか,やらせており,大分緩和はされているのかなとは思っています。ただ自分が無症状であったりする場合に人にうつさないという観点もやはり大事ですので,そういったところも含めまして学校には臨機応変に対応するように今申しているところでございます。
(16番 中村綾菜君 登壇)
◆16番(中村綾菜君) そのように具体的な方法があるのでしたら,ぜひそれを全校的に広げていただきたいのと,子どもたちは臨機応変と言われても理解できないので,このようなときには外していいというのを具体的にしっかりと示していただきたい。
さらには,福野議員もおっしゃっていましたけれども,しゃべらないときとか議論しない授業中とかいろいろあると思います。休み時間に少し離れる機会をつくるといったこともできるかもしれないですし,小規模校などでは丸く円になって給食を食べたら話ができるのではないかとか,富山の教育委員会は工夫しておられましたけれども,そうやっていろんな工夫ができると思うんです。例えば,私たち議員は控室に戻ったらマスクを外せるとか,大人はいろいろとそういう状況を自分たちでつくることができるんですけれども,子どもたちはとても真面目なので一日中着けている。この間,福井市子ども会育成連合会で一緒にバーベキューをしたんですけれども,やはりマスクを着けながら食べていました。マスク会食を徹底しましょうと大人に言ってもなかなかできないのに,子どもたちは徹底してやっているんですよ。そういう姿を見ると,もっと大人が工夫してあげたい,そして子どもたちの声をしっかりと聞いてあげてほしいと感じます。ぜひ子どもたちの声を聞くということにも工夫していただきたいなと要望させていただきますので,よろしくお願いいたします。
令和 3年12月定例会
◆16番(中村綾菜君) ただいま討論の対象となっております請願第10号 新型コロナ禍での政府による米価格暴落対策が皆無の中,稲作農家への自治体独自の直接支援策を求める意見書提出について,不採択とした委員長報告に反対の立場から討論を行います。
本市としては,米価安定のため,需要に応じた生産の徹底や,稲作と園芸を組み合わせた複合経営への転換などを推進しているほか,国に対して将来にわたり米の需給及び価格の安定を図るための対策を講じるよう,全国市長会等を通して提言していることは聞いておりますが,農家の方々の声をお聞きしますと,さらなる支援,いち早い支援が必要だとのことです。本年6月定例会には,新型コロナ禍における米の需給悪化の改善と米価下落の歯止め策を求める意見書提出についての請願が出されて,議会として不採択としましたが,その判断がおかしいのではないかとの御指摘もいただいております。
そこで私は,本請願書にあります稲作農家への自治体独自の支援策を求めることに賛成し,この請願を不採択とした委員長報告に反対いたします。
以上,討論を終わります。