令和4年9月定例会
2023年1月23日(月)
○議長(堀江廣海君) 次に,日程2 市政に対する一般質問を許可します。
それでは,16番 中村綾菜君。
(16番 中村綾菜君 登壇)
◆16番(中村綾菜君) 無所属の中村綾菜です。通告に従いまして一般質問を行ってまいります。
まず,福井市版スマートシティ構想の実現に向けて質問いたします。
教育,医療,エネルギー,交通,商業,行政など,自治体のあらゆる都市機能をDX化することをスマートシティ構想といいます。本市には,まだこのスマートシティ構想というものがないため,しっかりと構築してはどうかという視点から質問させていただきます。
先月,お隣の県,石川県加賀市にて,スマートシティ加賀構想を視察してきました。加賀市は,北陸新幹線加賀温泉駅開業を千載一遇のチャンスとして,加賀市が生き残るために進化する先端技術を行政に活用しようを合い言葉に,宮元市長の強烈なリーダーシップの下,様々な施策を次々と繰り出し,成果を出しているそうです。
スマートシティ加賀の成長戦略には,IoT人材の育成と先進テクノロジー導入の2本柱があり,実証フィールドとして産業が集積した活力あるまちを目指すとの説明を受けました。何のためのDXか,そして何のためにやっていきたいのか,非常に分かりやすく説明していただきまして,それが職員のやる気に,ひいては市民の理解促進につながっているというふうに感じました。
具体的な事例としては,以下です。
まず,市民サービスについてです。190種類の行政手続に電子申請を導入。マイナンバーカードによる公的個人認証を活用したデジタル身分証アプリ「xID」と,簡単に行政手続の申請フォームが作成できるLoGoフォームを連携させることにより,これまで窓口で本人確認が必要だった手続がオンラインで完結できるようになり,マイナンバーカードの申請率が82.3%,交付率が74.4%で,全国トップクラスだそうです。
産業分野では,空の産業集積を目指し,加賀市内全域の3Dマップを作成。これを利活用し,ドローンでの医薬品搬送の実証実験やドローンによる災害状況収集を行っているそうです。
農業分野では,ブドウのルビーロマンと梨とイチゴ農家にIoT機器システムを導入し,IoT実証実験を行っています。蓄積したデータは,各農園,組合内で共有し,商品化率向上と品質向上を目指しています。ちなみに,ルビーロマンに関しては,加賀市産の房が4年連続最高値で落札されており,令和4年は1房150万円で落札されたそうです。
教育分野においては,コンピュータークラブハウス加賀を開設し,加賀ロボレーブ国際大会の開催による小学生からのデジタル教育,ロボティクス教育の支援を実施。また,加賀市イノベーションセンターや山代スマートパークの運営も行っているそうです。
まちづくりに関しては,世界の高度人材が集う未来型まちづくりというものを手がけておりまして,世界中のクリエーティブな人材や高度人材がそろうような地域づくりにつなげていきたいというような御説明をいただきました。
さて,本市においては,第八次福井市総合計画の将来都市像である「みんなが輝く 全国に誇れる ふくい」を実現するために,ICTの浸透により,人々の生活をあらゆる面でよりよい方向に変化させるDXを推進し,みんなが豊かで快適に暮らせるまちを目指し,暮らし,産業,行政の3つの柱からDX推進に取り組んでいくとしております。
こちらに特に異論を唱えるというわけではございませんが,少し危機感が足りないといいますか,なぜ今DXが必要なのか,DXのもたらす可能性は何かというところが少し足りないのではないかというふうに感じております。
DXのXは,トランスフォーメーションです。トランスフォーメーションとは,変形,変化,変質,変換を表しています。本市はDXによって生活をあらゆる面でよりよい方向に変化させるとしておりますが,それだけではないと考えます。DXによって,制度や政策,組織の在り方等も変革していくことができ,さらには変革することで新たな価値を創造していくことができるという可能性もあります。
ここで質問です。本市にとってのDXとは,どのようなものであるとお考えか。なぜ,暮らし,産業,行政をDX化する必要があるのか。DXがもたらす可能性とは。逆に,本市がDXに取り組まないとどうなるのか。
産業のDX化を進めることで,本市の産業にどのような影響を与えるとお考えか。例えば,本市のDX化は魅力的な企業を誘致することにつながるのではないか。また,今ある市内企業が魅力的な企業に変化することで,雇用促進につながるのではないか。
小・中学校においては,ICT環境の整備を進めるなど,ロボットやAIを活用する新しい社会で活躍できる人材の育成に向けて取組を進めておりますが,市全体として,今後どのようにデジタル人材を育成していこうとお考えか。DXを進めるためにはどのような人材が必要で,DXを進めることでどのような人材が育ち,どのような人材が福井市に集まってきて,どのようなまちになるとお考えか,お聞きいたします。
これらをしっかりと市民の皆様に知ってもらい,市民と一緒になって本市のDXを進めていく必要があると考えます。そのために,本市のスマートシティ構想について検討してはどうか,御所見をお伺いします。
次に,持続可能な農業の推進についてお聞きいたします。
まず,スマート農業について。
就農者数の減少,高齢化など,本市農業が直面する課題を解決するためには,スマート農業技術を農業現場へ速やかに導入,普及させていくことが大変重要であると考えております。
本市のスマート農業導入実証事業としては,ドローンが18団体,自動操舵システムが12団体,複合環境制御装置が3団体で行われており,農作業の省力化や営農技術の高度化に向けて取組を進めていると聞いております。特に,園芸施設に導入されている複合環境制御装置についてお聞きいたしますが,今後も新たに導入する農家を増やすためには,どのような取組をお考えでしょうか。
県の実証実験ですが,東安居地区で生産される大玉トマトの越前トマトと,白方町で生産されるミディトマトの越のルビーのハウス内には,モニタリング装置が導入されております。温度や湿度など蓄積されたデータは各農家で共有し,品質の向上,収穫量の向上を目指しているとのことです。
本市のモニタリング装置の導入については,現在どのような取組を行っているのでしょうか。また,今後どのような取組をお考えでしょうか。
次に,福井市産直ECサイトふくいさんについてお聞きいたします。
このサイトは,生産者の新規販路開拓による所得向上やファンづくりを目的として昨年9月にスタートし,1年がたちました。現状はいかがでしょうか。生産者の顔や思いが分かるように写真や文章で工夫されていて,とても魅力的なサイトになっておりますが,現在の販売者数,商品数,購入件数をそれぞれ教えてください。
売上高はどれぐらいでしょうか。特に人気の商品はどのようなものでしょうか。閲覧者数はどれくらいでしょうか。また,どのようにサイトを検索してきたのか,どのサイトから誘導されてきたのかをお聞きいたします。
人気の産地直送ECサイトを調べてみますと,サイトには様々な工夫がなされておりました。利用率ナンバーワンの産直通販サイト食べチョクには,トップ画面にみんなの投稿があり,いつ,誰が,どのようなものを購入しているのかが分かるようになっているほか,今日のトレンドワードがあり,今旬なものが何か,人気商品は何かが分かるようになっていました。
レストラン予約サイトぐるなびが運営する,ぐるなび仕入れモールでは,トップ画面にタイムセール,わけあり商品とあり,お得な商品が分かるようになっているほか,お試し商品,今すぐ届く商品といったカテゴリーにも分かれておりました。本市のホームページ,サイトにも取り入れられる工夫があると思いますが,今後どのように魅力的なサイトにしていこうとお考えか,お聞きいたします。
続きまして,部活動の地域移行と地域におけるスポーツの推進についてお聞きいたします。
「すすんで健康にこころがけ 明朗で活気あるまちをつくりましょう スポーツで広がれつながれ元気の輪」,福井市市民憲章です。
スポーツの可能性は無限大で,スポーツを通じて地域コミュニティーの活性化,健康増進,介護予防,子育て支援になるなど,地域の様々な課題を解決することができると期待されております。
しかし,人口減少による少子・高齢化に伴い,スポーツ少年団,地域のスポーツチームなどの参加者数が減少し,活動やチームを維持することが困難になっているほか,生徒数の減少により,限られた競技種目でしか部活動ができなくなっているという現状があります。
また,学校現場においては,教職員の時間外労働の4割を部活動が占めているという現状があり,多忙化解消という観点から,部活動の地域移行が急務であります。
地域におけるスポーツを推進している先進市町村を見ますと,スポーツ少年団や総合型地域スポーツクラブなど,地域のスポーツを一体的に担う団体が創設され,スポーツを通じた健康増進や地域活性化を担う団体が増えてきているようです。
本県においては,鯖江市が先進的な取組をしており,中学校区ごとに総合型スポーツクラブがあり,地域におけるスポーツを推進しています。お聞きしますと,これは鯖江市が主導でつくり上げてきたものだそうです。
では,本市の地域におけるスポーツ推進の方向性とはどのようなものでしょうか。現在,部活動の地域移行については,検討委員会を立ち上げ,協議しているということで,指導者の確保,受皿の確保,保護者の送迎,会費徴収についてなどが課題であると聞いており,解決方法を探るためには,まずモデルとなるような競技をつくっていくという話でしたが,どのように話は進んだのでしょうか。受皿はどのような団体に決まったのでしょうか。また,今後部活動を地域移行していく上で,どのような受皿を想定しているのでしょうか。
なぜ,このようなことをお聞きするのかと申しますと,他県や他市町村を見ますと,総合型スポーツクラブがその役割を担うということが多いようですが,本市は総合型地域スポーツクラブが4つと少ないのが現状だからです。
なぜ,本市において総合型地域スポーツクラブが増えないのでしょうか。総合型地域スポーツクラブの課題とは何でしょうか。クラブを運営している方にお聞きしますと,主に2つあるということでした。1つ目が指導者の確保,2つ目が会場の確保だそうです。
指導者の確保については,自分たちの努力で何とか解決していかなければならないとおっしゃっておりましたが,会場の確保については,市の力を借りないとなかなか難しいとのことでした。なぜかと申しますと,市営の体育館は抽せんでしか取れないので,継続的に活動できる会場が確保できないからということです。
クラブが安定して会場を確保できるようにするためには,どのようにしたらいいとお考えでしょうか。例えば,活動拠点の中学校をつくる,活動拠点となる体育館をつくるということが考えられると思います。実際に鯖江市では,総合型地域スポーツクラブ,東陽スポーツクラブの拠点は東陽中学校,鯖江北コミュニティースポーツクラブの拠点は中央中学校,さばえスポーツクラブの拠点は鯖江中学校と鯖江市スポーツ交流館と位置づけているそうです。
本市には,抽せんしなくても使える市営の体育館,これは小・中学校の体育館ですが,そういったものもありますが,公平性の確保と透明性の確保で課題があるように思っております。申請方法や抽せん方法について,いま一度検討してはと思いますし,空き状況が分かるように見える化してはというふうにも思います。学校体育施設開放事業に関する問題点は,どのようなこととお考えでしょうか。より多くの団体や地域住民が使えるようにするためには,どのようにしたらいいとお考えでしょうか。
話は少し戻りますが,総合型地域スポーツクラブは,単一種目ではなく,複数の種目があり,青少年から高齢者まで幅広い年齢層が参加する,障害のあるなしにかかわらず参加することができるといった特色や,学校単位ではなく,地域のスポーツ活動との連携があることがメリットです。そして,子どもたちのスポーツ環境を一層充実させるために,学校の部活とも連携したクラブを育成していくことが必要だと考えています。
本市は,今後どのように総合型地域スポーツクラブを育てていこうとお考えでしょうか。例えば,市の主導で総合型地域スポーツクラブを新たに設立する手助けをする,既存のスポーツクラブを育成していく,新たな支援制度を確立するなどが考えられます。
また,総合型地域スポーツクラブなどの地域の団体と学校の部活動との連携をどのように取っていったらいいとお考えでしょうか。例えば,スポーツ課が主導でコーディネート役として担っていくというのはいかがでしょうか。
現在,部活動以外のチームは,公式試合に参加できておりませんが,令和5年度以降,総合型地域スポーツクラブのチームも公式試合に参加できるようになり,ますます部活動の地域移行は進むというふうに考えられております。
ここからは要望ですが,例えば,市内を8つのブロックに分け拠点をつくる,拠点ごとに受皿となる総合型地域スポーツクラブを設立する,クラブにおいて指導者を育成し,派遣したり,小中一貫で連動させる仕組みをつくる。そうすることで,学校と地域が連携したクラブづくりをすることが可能であるというふうに考えております。今後検討を進める上での一つの考えとして取り上げていただければと思っております。
最後でございます。パートナーシップ制度と性的マイノリティーへの理解促進についてお伺いします。
パートナーシップ制度については,平成27年11月に東京都渋谷区と世田谷区において,全国で初めて導入されました。近年,導入自治体は飛躍的に増加しており,今年8月現在では225自治体に及んでいるそうです。県内では越前市が,今年10月からの制度導入を表明しました。鯖江市でも,導入に向けた検討の準備に取り組むこととしております。また,福井県においては,さきの6月県議会において知事から,調査研究していくという答弁がなされました。
あらゆる人たちがひとしく幸せを求められるような社会をみんなでつくり上げていくことは,非常に大切なことだと思っております。多様な方々が生き生きと活躍できる福井であってほしいと願っております。
そのためにも,制度を導入する自治体が増えてきた今,本市においてもパートナーシップ制度の導入について検討を進めていただくべきだと考えますが,御所見をお伺いします。
また,性的マイノリティーについて正しく理解することや,こういった方々が置かれている状況を知り,何に困っているのかをともに考えていく意識や姿勢が重要だと思います。
本市における性的マイノリティーへの理解促進のための取組状況についてお知らせください。
読み上げによる質問は以上です。ありがとうございました。
(副市長 西行茂君 登壇)
◎副市長(西行茂君) 私からは,福井市版スマートシティ構想の実現に向けての御質問のうち,本市にとってのDXや,DXを進める必要性などについてお答えいたします。
国においては,少子・高齢化,地方の過疎などの課題をイノベーションにより克服する社会,IoTで全ての人とモノがつながり,様々な知識や情報が共有され,新たな価値が生まれる社会などのサイバー空間とフィジカル空間を融合させた取組により,人々に豊かさをもたらすSociety5.0に向けた取組を進めております。
また,進展する人口減少,少子・高齢化の中で経済成長を実現していくためには,生産性の向上が不可欠であることから,DXの取組が重要であるとしております。
このような中,国は目指すべきデジタル社会へのビジョンとして,デジタルの活用により,一人一人のニーズに合ったサービスを選ぶことができ,多様な幸せが実現できる社会,誰一人取り残さない,人に優しいデジタル化を示し,住民に身近な行政を担う自治体のデジタル化の取組を着実に進めていくことといたしました。
本市といたしましても,新たな社会Society5.0への対応や,進みつつある人口減少,少子・高齢化の中で,競争力の強化や産業,経済の活性化を図るとともに,労働力不足への対応をはじめとする社会的な問題解決や,持続可能でより豊かな社会の実現に向けたDXの取組は,重要であると考えております。
また,行政においても,本格的な人口減少社会を見据え,減少する人的資源を本来注力すべき業務に振り向けるため,業務の在り方を見直していくことが必要とされております。
このため,福井市DX推進計画においては,暮らし,産業,行政の3つの基本目標を設け,市全体のDXの推進を図ることとしております。
新たな価値を創出するDXの推進は,豊かで快適な暮らしや地域産業の活性化を実現し,行政サービスのさらなる向上を図り,持続可能なまちとなるために必要不可欠な取組であると考えております。
このようなことから,今後も福井市DX推進計画に掲げる取組を着実に推進してまいります。
(都市戦略部長 桑原雄二君 登壇)
◎都市戦略部長(桑原雄二君) 福井市版スマートシティ構想の実現に向けての御質問のうち,まずデジタル人材の育成についてお答えいたします。
本市のDXを推進していく上で,デジタル技術を活用できる人材の育成に社会全体で取り組んでいくことが重要であると考えております。
国は,デジタルの力を活用した地方の社会課題の解決に向けて,全ての労働人口がデジタルリテラシーを身につけ,デジタル技術を利活用できるようにするとともに,専門的なデジタル知識,能力を有し,デジタル実装による地域課題解決を牽引するデジタル推進人材の育成を目指しております。
本市におきましては,中小企業者が行うDXを用いた経営課題の解決や企業価値の向上に向けた取組への支援を行うとともに,小・中学校においてICTを利用した学習やプログラミング教育を通し,ロボットやAIを活用する新しい社会Society5.0で活躍できる力を育成しております。
また,公民館においてパソコンやスマホの使い方などを学ぶ市民ICT講座の開催や,国のデジタル活用支援推進事業を活用して,高齢者向けのスマホ教室や相談会の開催に取り組んでおります。
さらに,行政内部におきましても,今年度から設置したDX推進リーダーに対して,DXを進めるために必要な知識や心構えを習得するための人材育成を行っております。
これらの取組が進んでいくことや,DXの推進に関する周知を行っていくことで,DXに対する機運の醸成が進んでいくものと考えております。その結果として,住民や企業と行政が一体となり,デジタル技術の活用による地域課題の解決や地域活性化に取り組んでいけるようなまちになることを目指していきたいと考えております。
次に,スマートシティ構想の検討についてお答えいたします。
福井市DX推進計画に掲載されております取組を着実に推進していくことが,スマートシティの理念である「ICTなどの新技術を活用し,マネジメントの高度化により都市や地域の抱える諸課題の解決を行い,また,新たな価値を創出し続ける持続可能な都市や地域の実現」につながるものと考えております。このことから,スマートシティ構想の策定は現在のところ考えておりません。
(商工労働部長 寺井道博君 登壇)
◎商工労働部長(寺井道博君) 福井市版スマートシティ構想の実現についての御質問のうち,産業のDXについてお答えいたします。
ICTの活用による省力化や市内企業のDXへの取組支援など,本市が産業のDXに先進的に取り組むことで,デジタルに関する高い知識と技術を持つ市内企業が増え,働く人にもDXへの参画意識の醸成が図られることにより,若者に人気のあるICT関連産業の誘致につながる可能性も生まれてくるものと考えております。
また,市内企業がDXに対応していくことで,例えば顧客ニーズや市場動向のデータを効率的に分析することができるようにもなります。さらに,これらのデータを新たなサービスや新商品の開発に反映させることで,企業は自社の魅力を高めることが可能となり,地域内外から優秀な若い人材を呼び込むことが期待でき,雇用促進につながる可能性も生まれてくるものと考えております。
(農林水産部長 清水拓君 登壇)
◎農林水産部長(清水拓君) 持続可能な農業の推進についてのうち,まず,複合環境制御装置の導入農家を増やすための取組についてお答えします。
本市農業の持続的な発展のためには,複合環境制御装置をはじめとするスマート農業を導入することにより,人手不足の解消や品質向上に取り組むことが必要でございます。
一方で,複合環境制御装置には,導入費用が高額となることから,費用対効果を見極めにくいなどの課題もございます。
そのため,今後も県やJAなど関係機関と連携し,市内農業者の複合環境制御装置の導入の意向について情報収集するとともに,導入を検討している園芸農家に対し,既に導入している農家での効果について情報提供してまいります。また,国や県の助成制度を活用しながら,複合環境制御装置のさらなる普及に努めてまいります。
次に,モニタリング機器の導入についてお答えします。
現在,金福スイカや越のルビーの栽培技術が優れた農家の圃場や園芸センター試験圃場にモニタリング機器を設置し,気温,湿度,土壌水分などの各種データを収集しております。これらのデータを基に,管理温度や土壌水分などを数値化した栽培マニュアルの作成に取り組んでおり,令和5年度の完成を目指しております。
令和6年度からは,モニタリング機器を新規栽培農家等へ貸し出し,栽培マニュアルを基に適切な栽培管理を行うことで,農産物の高品質化や農作業の省力化を図ってまいります。
また,園芸センターでは,各種データを確認しながら栽培指導を行うことで,栽培農家の技術向上を支援してまいります。
次に,ECサイトふくいさんについて,7月末現在でお答えします。
まず,販売者数ですが,市内の農林水産物の生産,加工に携わる個人,団体や市場関係者など42事業者が販売しております。内訳は,企業が27,団体が9,個人が6でございまして,合計103商品を出品しているところでございます。
昨年9月のサイト開設からこれまでに御購入いただいた件数は,累計で807件で,売上高は386万3,000円でございます。
人気商品としては,セイコガニ,甘エビ,ふくいサーモン,定置網刺身柵セットなどであり,魚介を中心に人気が高いところではございますが,季節に合わせてそばやジェラート,お米といった商品も注目いただいているところでございます。
閲覧数につきましては,累計で18万9,004回,1日平均では617回で,サイトへの誘導内訳としましては,閲覧ユーザー4万8,957人,そのうち有料広告からの誘導が47.0%,検索による誘導が28.4%,観光ポータルサイト福いろやSNSからの誘導が14.4%,チラシやメールマガジンからの誘導が10.2%でございます。
最後に,今後どのように魅力的なサイトにしていくかにつきましては,商品数の充実を図るため,商工労働部と連携し,ふくいの恵み認定商品など魅力的な商品を出品するほか,消費者の購買意欲が高い傾向にある肉,魚などのメイン食材や,農林水産加工品の特にスイーツなどの充実に取り組んでまいります。
また,銀行振込,コンビニ決済機能の追加や,贈答品として使用できるよう,のし紙利用を選択できるようにするなど,利便性の向上にも取り組んでいるところでございます。
さらに,本サイトを知っていただくために,地元ラジオ番組でのレギュラー放送や新聞紙面などでのPRのほか,首都圏におきましては,ウェブや情報誌,情報番組でのPRなど,東京事務所のネットワークを活用しながら,各種メディアでの情報発信を図っているところでございます。
(教育部長 林俊宏君 登壇)
◎教育部長(林俊宏君) 部活動の地域移行と地域におけるスポーツ推進の方向性についてお答えいたします。
現在,本市では,小学生はスポーツ少年団,中学生は部活動などを通じ,地域においてスポーツ活動に取り組んでおります。また,そのほか民間が運営するクラブチームや指導者が個人的に創設したクラブでスポーツ活動に取り組んでいるケースもございます。これらの活動は,子どもたちの競技力向上や心身の健全育成のほか,競技の選択肢も増えるなど,地域における子どもたちのスポーツの推進に重要な役割を担っていると考えております。
次に,部活動の地域移行のモデル競技と受皿につきましては,岩佐議員にお答えしたとおりです。
次に,安定した会場の確保及び学校体育施設開放事業に関する問題点などについてお答えいたします。
現在,市内の体育施設は,平日夜や土日などは稼働率が高く,公平性を保つために抽せんを行っており,希望の時間帯での利用が難しい状況も生じております。
なお,総合型地域スポーツクラブをはじめスポーツ少年団や部活動の利用に関して,会場確保等の優遇措置は行っておりません。
また,学校体育施設開放事業では,小・中学校の体育施設を,学校教育に支障のない範囲で地域住民に開放しております。このことにつきましては,現状では特に不都合が生じているとは認識しておりません。仮に,今後,総合型地域スポーツクラブが部活動の担い手となった際には,今の枠組みを見直す必要もあるかとは考えております。
次に,総合型地域スポーツクラブをどのように育成していくのか,スポーツクラブなどの団体と学校の部活動との連携をどのように図るのかについてお答えいたします。
現在,本市では,清水スポーツクラブ,福井フェニックス陸上クラブ,NPO法人ふくいスポーツクラブ,総合型クラブFukui Sports Academyの4つの総合型地域スポーツクラブがあり,それぞれが特色のある目的,理念を掲げて各種スポーツ教室を運営されております。
スポーツクラブは,いつでも,どこでも,誰でもスポーツを楽しめる環境を住民が主役となってつくり,自主的な運営を行う,地域に根差した団体であり,本市のスポーツ振興に重要な役割を担っていただいております。
今後は,育成支援や普及啓発に取り組んでいる県広域スポーツセンターとしっかり連携を取りながら,スポーツクラブの育成につながる取組を進めてまいります。
次に,スポーツクラブなどの団体と学校の部活動との連携についてお答えいたします。
既存のスポーツクラブが,現在中学校で実施している部活動の全競技の実施を担うことは,指導者や活動場所の確保など課題が多いため,難しいものと考えております。
しかしながら,国が示す運動部活動の地域移行に関する検討会議の提言の中では,部活動の実施主体は,地域の実情に応じた多様なスポーツ団体を想定し,対応することとしております。
また,その団体の想定といたしまして,総合型地域スポーツクラブ等が列挙されており,今後,スポーツクラブや団体から,部活動の地域移行の担い手となることなどについて御相談があった際には,しっかり相談を受けながら,国の補助制度の紹介や,新たな支援の在り方なども考えてまいりたいと思っております。
(総務部長 齊藤正直君 登壇)
◎総務部長(齊藤正直君) パートナーシップ制度と性的マイノリティーへの理解促進についてお答えします。
まず,パートナーシップ制度の導入についてです。
パートナーシップ制度とは,自治体が性的マイノリティーのカップルをパートナーとして認め,証明書を発行する制度のことです。導入自治体では,要綱等を定めて制度化しており,申請者から提出されるパートナーシップ宣誓書に基づき,その内容を確認し,受領証等を発行しています。これにより,市営住宅への入居や市民病院での手続などにおいて,当該パートナーを家族として扱うこととしています。中核市では,福井市を除く61市中24市,約4割がこの制度を既に導入しております。
全国的に制度を導入する自治体が増えてきたこと,また,県内においては既に越前市が導入を決定しており,県やその他の自治体でも制度導入が研究,検討されていると伺っていることから,本市におきましても,県などの動きを見ながら制度導入について検討してまいります。
次に,本市における性的マイノリティーの方々に対する市民の理解促進についてです。
性的マイノリティーを含む人権擁護のためには,市民一人一人が人権に対する意識を高めることにより,お互いに尊重し合い,理解し合える地域社会を築いていくことが必要です。そのため本市では,これまでにも講演会や研修会などにより,人権意識の啓発に取り組んでまいりました。
今年度は,多様な性に対する理解促進のための研修会を,教職員向け及び市民向けに計2回開催いたします。また,県内大学生等を対象に,研修会及びワークショップを計5回実施する予定です。これにより,次世代を担う若い世代の人権意識の醸成と,人権啓発の担い手育成につなげてまいります。
今後も,様々な価値観や多様性を認め合える意識づくりのため,さらなる啓発に取り組み,誰もが尊重され,地域社会で安心して暮らすことができるまちづくりを進めてまいります。
(16番 中村綾菜君 登壇)
◆16番(中村綾菜君) 様々な御答弁をありがとうございました。再質問を2つさせていただきます。スマートシティ構想についてと,部活動,地域のスポーツ推進について,再質問させていただきます。
まず,スマートシティの構想についてですが,なぜDXが必要なのか,DXがもたらす可能性とは何か。西行副市長からいろいろ御説明がありましたが,一言で言うとどのようなことなのでしょうか。分かりやすくお願いしたいなと思っております。
◎都市戦略部長(桑原雄二君) 一言で分かりやすくというのはなかなか難しいと思いますが,名のとおり,いろいろな課題解決に向けて,改革も含めてICTという技術を利用して,その課題解決を行っていくということが,DXの目的でございます。
(16番 中村綾菜君 登壇)
◆16番(中村綾菜君) ありがとうございます。
また,DXに取り組まないと福井市がどうなるのか。こちらについても一言でお願いしたいと思います。
◎都市戦略部長(桑原雄二君) どうなるのかというのはなかなか答えにくいんですが,今DXを進めるに当たりまして,先ほどから答弁しているいろいろな課題,人口減少であったり,いろんな課題をいろんな分野で解決していくために必要なこととして,ICTを取り入れたDXを進めるということでございますので,当然ながらDXをある分野で推進しないと,そういった課題解決につながらないということだと考えています。
(16番 中村綾菜君 登壇)
◆16番(中村綾菜君) 御答弁ありがとうございます。私は,このDXに取り組まないと取り残されるというふうな非常に危機感を持っている自治体,私もそう思っておりますが,そういった自治体が他県でも多くあるなと思いますので,何か危機感があるような一言で職員研修に挑んでいただけると,それがまた市民の皆様にもつながっていくのではないかというふうに考えておりますので,よろしくお願いします。また,今回,非常に前向きな答弁,文言もありました。課題解決のためにデジタル人材を育成していくとか,こんなまちにしたいというようなこともありましたので,ぜひそれをスマートシティ構想として掲げていただければ,市民に分かりやすいなと思いますが,今後,今日答弁した内容をどのように市民に伝えていくのか,その辺をお聞きいたします。
◎都市戦略部長(桑原雄二君) 先ほど答弁させていただきましたけれども,言葉は悪いですが,スマート構想という一つの型にはめて,これからDXを進めていいかどうかというのは,昨年度DX推進計画を作成するに当たり,いろいろ研究してまいりました。
その上で,まず,今国が進めるに当たりまして,DXも進めますが,人材育成,さらにはデジタルデバイド対策,そういったものも一緒に進めていかないと,なかなかこういう社会は出来上がってこないということがございます。その辺は,今回答弁させていただいたように,まず私どもが作成した推進計画をしっかりと進めさせていただきたいということでございます。
(16番 中村綾菜君 登壇)
◆16番(中村綾菜君) ぜひ,このDX計画を推進していただきたいというのと,今回のスマートシティといいますか,デジタル化,DX化で非常に進んでいるのが,福井市としては農業分野だというふうに感じたので,特別に取り上げて,特筆して質問させていただいたわけですが,農家,農業にとっては,取り組まないと取り残される,新規農業者も含めて増えないというところで,必死になってやっている。すごく先進的な取組だと思いますので,その危機感はぜひ共有していただいて,本市のDX推進にもつなげていただきたいなというふうに思っております。
部活動の地域移行についても質問させていただきます。
今後も部活動の地域移行の受皿として,多分岩佐議員に答えられたと思うんですけれども,競技団体にお願いしていくのか。その辺の方向性と,それでは限界が来るのではないかというふうに考えておりますが,その辺の御所見をお伺いします。
◎教育部長(林俊宏君) 昨日,岩佐議員にもお答えさせていただきましたが,まずはモデル的にやっていく。次に,チームスポーツなどもどうやって受皿をつくっていくのかということを,今から研究していく予定でございます。
方向性ということなんですが,やはり担い手というか,指導者も含めて,どのように持続可能にやっていけるかというような体制づくりとか組織づくりを,しっかりと地域ごとにつくって整えていく必要があるかなと思っております。
それに必要な相談とか協議とか,時にはお手伝いとかもしていかないといけないかなと思っております。
(16番 中村綾菜君 登壇)
◆16番(中村綾菜君) おっしゃるとおりだと思うんです。それを市主導でやっていただけると,より早い。さらには,地域スポーツの推進という大きな方向性の下,各部局にもまたがると思うんですが,地域活性化とかいろんなところも関わってきますし,大きな方向性の下,市の主導でやっていただくと,より早く部活動の地域移行も進むのではないかというふうに考えておりますので,この辺を要望させていただこうかと思います。また,競技団体から要望があってからとか,地域の要望があってから進めるというのではなくて,市主導でやっていただきたい。この辺について質問させていただきます。
◎教育部長(林俊宏君) 市が主導となって,そういった受皿づくりをしっかりつくっていくという御質問かと思います。
国のほうでも,今地域への運動部活動移行ということで,コーディネーターの設置みたいな予算も検討されているというふうに伺っております。それをどのように取り入れいくかというのは,今から考えていかなくてはいけないのですが,そういった制度を行政のほうでも組み込む中で,地域と連携しながら対応していけたらと思っております。
(16番 中村綾菜君 登壇)
◆16番(中村綾菜君) ぜひ活用していただきたいなと思います。
最後に,もう一つだけ。
総合型地域スポーツクラブ,地域のスポーツ推進が進まない大きな要因の一つとして,小・中学校の体育館の利活用がうまく進んでいないのではないかという課題があるということが分かりました。
基本的に,学校は子どもたちの施設なので,地域に開放するのは例外的に認めているというような答弁だったと思います。地域スポーツ推進のために,積極的に貸したいというスタンスではないなと,2つの視点があるなというふうに,聞き取りとか議論をしながら感じました。
地域スポーツの推進という大きな方向性の下で,学校開放事業を行っていくためには,どのような課題があり,どのようにしていったらいいとお考えでしょうか,お聞きいたします。
◎教育部長(林俊宏君) 学校体育施設の開放につきましては,現段階では地域団体に使っていただくという形で活用しております。ただ,一番象徴的なのは,部活動の地域移行という問題の受皿としての活用がございますが,そういった際には,答弁の中でも答えさせていただきましたが,今の枠組みも見直していく,そういったことも検討していく必要があるかなと思っております。
(16番 中村綾菜君 登壇)
◆16番(中村綾菜君) そもそも小・中学校の体育館は,誰が,いつ,どのように使うのか,使っているのが分からないということは,透明性にも公平性にも欠けるなというところも,1つ課題だなというふうに私は感じておりますので,まずそこから解決していただくというのも1つではないかなというふうに,地域スポーツの推進という観点から,ぜひ大きな方向性でお願いしたいなというふうに思っております。要望とさせていただきます。